今回は、昨年(2014年)のサマースクールでの経験を書きたいと思う。なお、タフツ大学が提供しているサマースクールは6週間コース、4週間コース等色々あるけれども、私が参加したのは大学院に進学する学生を対象とした6週間のSummer Institute for International Scholarsというコースだった。実際行われるコースの名称や時期については、進学決定後にフレッチャーから案内があるはずのパッケージを参照して下さい。
前回の投稿にあるように、フレッチャーはボストン所在ではないのだけれど。
*期間*
2014年6月末から8月初頭までの6週間。
*メンバー*
日本人9名、中国人2名、韓国人2名、ベトナム人1名、ギリシャ人1名、アルバニア人1名。中国人1人以外は全員フレッチャー生。それにしても、日本人が圧倒的多数…。日本人が多いのは毎年恒例のようですが。
*授業内容*
基本的に授業は月曜〜金曜の午前中に行われる。主にスピーキングとライティング能力を向上させることを目的としたプログラムで、6週間の締めくくりとしては10ページのペーパー(テーマは自由)を書き上げ、それに関して20分弱のプレゼンテーションを行うことになる。そのため、6週間を通して、アカデミックペーパーの書き方(引用の仕方、段落組みの仕方等技術的なことが中心)の説明があり、途中からは毎日のようにペーパーを提出して講師の添削を受けることになる。もちろん、テーマが自由で講師がその分野に精通していることは稀…というか、まずないので、内容というよりも英語的な観点からの添削がほとんど。内容については、ペーパーのアウトラインについて各自発表し、クラスメイトから意見をもらったりする機会があった。このペーパーを書いたり、プレゼンの準備をしたりするのが、もし今まで全く経験がないのであれば結構苦労するところでもある。フレッチャーを1年終えた今になって思えば、10ページのペーパーはそんなにおおごとではないのだけれど、当時は書き方もわからず英語力も今より更に低く、文献の調べ方も手探りで、本当に辛かったなぁ。。
ペーパーの書き方講座に加えて、各自が選んだニューストピックに関する議論を毎日1時間程度していたように記憶している。英語の発言力が概して弱い日本人(あくまで一般論ですが)にとっては、よく喋る中国人とか韓国人とかベトナム人とかヨーロッパ勢に囲まれて議論に参加するのは結構厳しい…。。けれど、全員留学生である分、アメリカ人に囲まれているフレッチャーの授業中よりは遥かにプレッシャーが低いはずなので、とりあえず「大勢の前で英語で発言する」度胸をつけるべし、と思います。
ただ、講師も、学生からの意見を聞いたりしながらかなりフレキシブルに授業内容を変えてくるので、何が行われるかはその日にならないとわからない、ということが多かった。発音練習を30分くらいしていた回もあるし、アメリカ文化に関する映画を観ていた回も、スティーブ・ジョブズのスピーチをyou tubeで聞いていた回もある。もし、「こういうことがしたい!」という具体的なアイデアがあれば、言ってみたら実現される可能性は高いだろうから、どんどん主張してみるといいかもしれない。
水曜の午後には、フレッチャーの学生1人をTAとして、1〜2時間ほど補助的な「講義」が行われる。かぎかっこ付きにしたのは、毎週行われる内容が異なっていたから。だいたい、フレッチャー生と何らかの話題について議論したり、フレッチャーツアーをしたり、というような内容だったように思う。ただ、もともとのコースには入っていない、フレッチャーが厚意で(?)行っているものだと思われるので、家庭の事情等があれば参加は強制されるものではない。ただ、このフレッチャーの学生は、サマースクールの間に一番知り合いやすいフレッチャー生だと思うので、仲良くなって色々教えてもらえると助かる部分も多いはず。
実際ここで英語力が向上したか、と言われると答えるのが難しいところもあるけれど、英語で話すことに対する慣れを身につけたことや、英語を実際に運用する上での自分の弱点を改めて認識できた、という観点からは、参加してよかったのかなと思う。また、後述するように、クラスメイトと6週間を共にしたことで仲良くなれたことは何よりの財産だった。
*サマースクールの間の暮らし*
家族連れで来ている人など一部の例外はあるが、タフツ大学のキャンパス内の寮(フレッチャーの寮Blakelyではない)に住んで、大学の食堂で3食たべる、という生活をしている人が私を含め7〜8名ほどいたと思う。メリットは、何より大学構内なので教室も遠くはなく、渡米前に家探しをする面倒くささもないし、食事の心配をする必要もないということ。寮は普段は学部生が使っている寮なので全く洒落たものではなく、ベッドに勉強机、扇風機と備え付けの衣装棚がついているだけのシンプルなものである。(Summer Instituteに参加する学生は、恐らく全員個室を与えられると思うが、たまたまそうだったのかもしれないので確証はない。)シーツや枕は支給される。地下にはコインランドリーもあるので、洗濯・乾燥も可能。ものすごく簡素な共同シャワーブースもあるし、よく壊れているけど飲み物の自動販売機もある。ただ、タオル、ヘアドライヤー、スリッパ・ビーサン等はないし、当然シャンプーとか洗剤とかの類のものもない。日本から持ってくるには大荷物だ!と思った場合には、寮から約15分の最寄り駅Davis Squareの隣にCVSというチェーンの薬局があるのでそこでだいたい何でも揃います。
(追記:タオルあった気がしてきました。)
なお、「扇風機?」と思われたみなさん、ボストンはとっても暑くなるにも関わらず、「夏が短いから」という理由で、冷房が完備されている家や寮はまずありません。。部屋の暑さに堪えきれなくて、私は閉館まで冷房の効いた図書館で過ごしていることが多かったです。
授業が午前中だけなら午後は何をしていたのかというと、時期によって様々だったが、そもそも12時半頃に授業が終わり、そこから食堂にご飯を食べに行くと、2時頃までそのままそこで話していることも多かった。
(1)オフィシャルイベントへの参加
同時期に学部生のサマースクールが行われていることもあり、そこに参加している学生を主に対象として毎日のようにボストンの観光地等に行くイベントが開催されている。ホエールウォッチングから美術館訪問、やや遠いアウトレットへのショッピング等、内容は様々だが、興味があったら参加してみると楽しい。私は1、2回しか参加しませんでしたが…。
(2)生活のセットアップ
サマースクールに参加する大きなメリットの一つはこれだと思う。フレッチャーの学期が始まってしまうと忙しすぎてなかなか手が回らない生活のセットアップは、ぜひサマースクールの間に終わらせたい。携帯電話の契約、銀行口座の開設、家探し、必要に応じて運転免許や身分証明書の取得(準備)等が主なものだろうか。アメリカ生活に慣れていなければ、どれもそんな気楽には終わらないし、フレッチャーの立地上、街まで出掛ける手間もそこそこかかる。それぞれについてはまたいつか書く機会があると思うが(もし質問があればコメントに残して下さい)、とにかく、8月半ばまでにこういったものを終わらせておくと、フレッチャー生活のスタートアップが必ず楽になるはず。
(3)ペーパーライティング、宿題…
サマースクールも後半になると、ペーパーライティングやプレゼンの準備が佳境に入ってくるので、図書館閉館の22時頃まで図書館にこもっていることも多かった。
(4)ボストン観光、各種イベント参加
(1)のようなオフィシャルイベントに限らず、サマースクールのクラスメイトとダウンタウンまで出掛けたり、一人で観光をしたり、本当に美しいボストンの夏を楽しむ時間も思い返せば大事だった。フレッチャーの学期が始まってしまうと、ボストンのダウンタウンまで出掛ける時間はぐっと減ってしまう。ガイドブックに載っているような観光地巡りをしたり、独立記念日の花火を観に行ったり、食堂の食事に飽きて一緒にご飯を食べに出掛けたり、フレッチャー生のフェアウェルパーティをしたり、そんなことを一緒にしたサマースクールのクラスメイトとはその後授業が全くかぶらなくても、深い絆で結ばれたままだったように思う。
*留意事項*
・家探し
サマースクールに参加すると家探しの面倒さがないとは書いたが、サマースクールが終わる8月上旬には寮から追い出されてしまう。フレッチャーの寮Blakelyに入るにしても、8月末までは入れないし、タフツ大学周辺で家を借りると9月1日が契約開始日なことが多い。そのため、何も当てがないのであれば、8月後半の家探しをサマースクール期間中に行っておくことが大事。その間の住まい探しについても、以前の投稿が参考になると思う。(サマースクール終了から家に入れるようになるまで、誰かの家に荷物を置かせてもらって旅行しまくる、という選択肢もある。)
サマースクール終了を祝うボストン湾クルーズ船上からの写真。
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