2015年6月20日土曜日

ボストン生活のセットアップ(3:交通機関)

 朝は寒かったのに昼間になると突然暑くなる、そんな嫌な感じの天気が始まりました。最近は本当にサングラス、日焼け止め、水分、そして扇子は必須!

 さて生活セットアップ、とはちょっと違うかもしれませんが、ボストンでは公共交通機関は欠かせない存在。なので、ボストンの公共交通機関、その他交通手段について、ざっくりと概観してみたいと思います。


Davis Square 駅前の怪しげな像。(左奥にDavisと書いてあります、一応)

☆ボストンの公共交通機関☆
 MBTAという会社がボストンの公共交通機関を司っている。公共交通機関としては、地下鉄、バス、Commuter Rail、あとはフェリー?があるようだが、普通の生活で使うのは地下鉄とバスだけだと思うので、ここではその二つだけを紹介する。

・地下鉄(通称T)
 ボストンの地下鉄は東京やNYCと比べると遥かにシンプル。地図については後で紹介するとして(普通にどのガイドブックにも載っていると思うのでそこまで色々書きません)、とりあえず乗り方と料金について。
 Tの特徴は、①どこまで乗っても運賃は同じ、②そのため、乗車駅でしかチケットを通さない。なお、②の例外はボストン空港から乗車するとき。ボストン空港からSilver Line(地下鉄路線図に組み込まれているが、なぜかバスの形をしている)に乗る時はなぜかタダで、例えばフレッチャーに行くためにRed Lineに乗り換えてもタダのままでどこまででも行ける。有り難いです。

 運賃は確か一回片道2ドルちょいだったと思うが、よく覚えていない。というのは、正確には認識していませんが、Tには、東京のメトロとかJRのように例えば「210円の切符を片道一枚買う」という発想がなかったはずで、基本的にはSUICAとかPITAPAとかと同じ発想で、プリペイドのカードを買って、そこにお金をチャージしていくという方法がとられている。

 そして、そのプリペイドカードには ①Charlie Ticket ②Charlie Cardの2種類がある。(チャーリーって名前は、たぶんCharles Riverから取られたんじゃないかなーと思うけど不明。)違いは
(1)Charlie Ticketは電磁式?というのだろうか…昔ながらの定期のように、改札を通すタイプ、Charlie CardはSUICAやPITAPAと同じICカード方式。
(2)Charlie Cardを使った時の運賃の方が微妙に安い。
(3)Charlie Ticketはどこでも手に入るが、Charlie Cardは配布している駅が限られている。
という3点だと思う。(2)を考えると、Charlie Cardを入手した方が最終的にはお得。

 入手方法は、配布している駅に行って駅員さんをつかまえること。残念ながらDavis Squareはちっちゃい駅なので、Charlie Cardの配布は行っていません。ホームページによると、Davisに近いところから順に、Alewife, Harvard Square, Park Street, South Station等で配布している様子。ただ、「Charlie Card配布してます」みたいなあからさまな感じは全くなく、駅員さんをつかまえて「Charlie Card下さい!」と言わないと出てこない。
 Charlie Ticketに入金してしまった額をCharlie Cardに移す、なんてことは、私の友達が聞いた時はできない(あるいは手間がかかる)と言われていた気がする。そんな諸々を考えると、ボストン到着後、空港からSilver Lineに乗ってSouth Stationを通った時にもらってしまえば楽かもしれない。

 路線図は以下の通り。 



(参照元:MBTA schedules and maps, available from http://www.mbta.com/schedules_and_maps/subway/ (Accessed on June 18, 2015))

 シンプルですよね。上り、下り、と同じ感覚で Inbound と Outboundという言葉があって、恐らくPark StreetかSouth Station(たぶん…Downtown Crossingかも…)に向かう電車はInbound, そこから遠ざかる方向に向かう電車はOutboundと呼ばれます。

 たぶん、Red LineとGreen Lineが一番頻繁に使う路線になるのではないかな。
 フレッチャーの最寄り駅は、Red LineのDavis Square。上記地図だと、名前の通り赤いラインの左上、終着駅であるAlewifeの一駅隣。そのため、SomervilleやMedfordから抜け出し、いわゆるダウンタウンに行くためには絶対にRed Lineを使う必要あり。
(なお、数年後にはGreen Lineがタフツのすぐ近くまで伸びてくるらしいが、私が卒業した後ということは確実なので、いつのことかは知らない。それを見越してタフツ周辺の地価が最近上がっているとか…)
 そして「ダウンタウン」といえば、赤、緑、そしてオレンジが交差しあうあたりを中心としたエリアのこと。Green Lineの上にあるPark Street, Arlington, Copley Squareのあたりが繁華街になるはず。マサチューセッツ州議会もこのあたりにある。
 空港から出ているのはBlue LineとSilver Lineがあるようだが、基本的にSilver Lineを使うことになるはず。案内板は不親切でわかりにくいことも多いけど、預け入れ荷物受け取り口の目の前、文字通り「目の前」に乗り場があるので便利。(手荷物受取口は屋内だが、そこから屋外に出たらだいたいそこが乗り口。)上述のとおり、地下鉄の路線図に組み込まれているけどなぜかバスの形をしてやってきます。South Stationまで行って、そこでだいたいの人が降りるので、Red Line(Alewife方面行き)に乗り換えたら後はフレッチャーまで一直線!

・バス
 同じくMBTAが運行しているバス。Davis Squareからフレッチャーの近くにバスで行きたい時は、96番か94番を使えばいいということ以外、路線が多すぎて全く私にはよくわかりません。
 つまり、裏を返せば、バスで本当に色んなところに行けます。2ブロックおきくらいに停留所があるので、使い方を知っていればすごく便利になる。
 MBTAの公式ホームページ(http://www.mbta.com/schedules_and_maps/bus/)もあるし、MBTA next busという、自分の使う路線がわかっている時にあと何分で来るか調べてくれるサイトもAppもあります。Google mapもこのバスの時刻表をかなり正確に反映しているから、使いこなす術は色々あるはず。

☆その他交通機関☆
・タクシー vs. Uber?
 日本でどうなってるのかわからないし、インドではきな臭いニュースの火種になったりしているけど、ボストンでは大普及しているUber(ウーバー)。Uberとは、タクシーの仲間みたいなもので、アプリをダウンロードしてクレジットカード番号(と電話番号?)を事前登録しておけば、「自分のまさに今いる位置まで配車を頼むことができる(から、流しのタクシーを捕まえる手間が減る)」「目的地も配車依頼の際に登録するので、車がくる前に運賃がいくらかかるかわかる(から、ぼったくられる心配がない。ちなみに、運賃はクレジットカードから引き落とされるので、運転手には何も払う必要なし)」「タクシーよりちょっと安い」というシステムです。
 サマースクールではUberを廃止すべきだ、というオピニオン欄を読んで議論したりしたし、一長一短あると言われているUberだけど、何よりタクシーよりちょっと安いということで学生の間では人気があります。私はもともとタクシーもあんまり好きじゃないので、一人の時はまず使わないけど、実際便利なサービスだとは思う。ダウンロードしたければ、「Uber」でアプリストアを検索したら難なくヒットするはずです。

・自転車??
 フレッチャー周辺以外はそこまでアップダウンも激しくないボストン地域、気候のいい時には自転車で行った方が小回りがきいて便利なこともある。アメリカの色んな都市で見かけるHubwayという貸し自転車システム、ボストンにもある。(確か一日5ドルくらい、30分おきにステーションに自転車を戻す必要はあるけど、そのルールさえ守れば1日使い放題。)サマースクールの寮の目の前にもHubwayステーションがあるし、使っている友達もいた。フレッチャーの学生証が手に入るまで使えなかったかもしれないが、なぜかタフツのTisch Libraryは自転車レンタルをしているし、自転車を所有している友達もたくさんいる。足の一つとして自転車をカウントするのもありかもしれない。
 ただ、最近日本でも交通ルールが厳しくなったと聞いているが、ボストンでは自転車は車道を走らなくてはいけない。自転車専用レーンはそこまで発達していないので、まさに車道のことが多い。ということは、車のルールを知っていないと非常に危険。左右のレーンが逆なことに始まり、交通ルールも少しずつ日本と違うので、そこだけは注意した方がいいと思います。
 こないだ、一輪車で、しかも携帯で電話をしながら車道を走っている人も見かけて仰天しましたが。笑

☆勝手にボストン観光名所紹介(3:フェンウェイ球場)☆
 Boston Red Soxのホームグラウンド。実は私は野球を見たことがないので、特に書けることはないのだけど笑、野球の試合をやっていないときも「フェンウェイ球場ツアー」をやっていて、それを使えば球場の中を色々と見て回ることができる。それには参加したことがあるが、まぁ広い球場だった。当時はあんまり英語が聞こえていなかったので聞き逃した部分も多くあるかもしれないが、球場にまつわる逸話とかをボランティアっぽい人が色々教えてくれる。一度行ってみる価値あり。あ、もちろん、試合も…。笑 私も一度は行こうと思っているんですが。

 噂ですが、ボストンにはレッドソックスの熱烈なファンが多く、ニューヨークヤンキースには強い敵愾心を燃やしている様子。ある友人の家の隣家では、普通なら国旗を掲げるであろうポールにレッドソックスの旗が掲げられていたりします。NY出身、ニューヨークヤンキースファンの友人が、ヤンキースのネックレスをしてクリーニング屋に行ったところ、お会計等全部終わった後にそのネックレスに気付いたお店の人(恐らくレッドソックスファン)に「あなたがヤンキースファンだと知ってたら受け付けなかったわ」と言われたこともあるとか。。ヤンキースファンの方、レッドソックスファンに見つからないよう、あからさまな格好はせずに静かに暮らした方がいいかもしれません。一方、レッドソックスのグッズ(特にキャップとかはかぶってる人が多い)を身につけていると、ボストニアンが優しくなった気がする、という話も聞いているので、とりあえずボストンに馴染むためにはレッドソックスグッズを入手してみるといいかも!?(テキトーです。)

 とにかく球場は、Green LineのFenwayという駅の近く。そこから歩いて15分くらいのところに、焼肉屋の牛角があるので、日本食が恋しくなった時に行けます。ちゃんと日本と同じ味で、やみつき塩キャベツもあります!私は一年で3回行きました。やけに人気なので、要予約だと思う。


球場ツアーに参加したときのもの。Red Soxには今も日本の選手がいるんでしたっけ?



2015年6月19日金曜日

ボストン生活のセットアップ(2:携帯電話)

 先日、フレッチャーの近く…と行っても歩けば30分ほどかかるMedford Squareというところにお寿司を食べに行きました。お店の名前はNijiya。日本語っぽい名前ですが、日本人っぽい店員は見ていません。むちゃくちゃおいしいというわけではないけど(シンガポール人の友人はvery nice!と言っていたので判断がわかれるところ)、ランチなら15ドルほどで食べ放題、クレイジー巻き、ドラゴン巻き、レインボー巻き、といった素敵な名前のお寿司が思う存分楽しめます。普通の握り寿司もあります。アメリカのお寿司としては安い方なので、お米、生魚が恋しくなった時の切り札としてどうでしょう。ある意味、アメリカ文化体験でもある。と言えるかもしれない。


レインボー巻き(奥)、クレイジー巻き(手前)、その他普通の握り寿司。

☆携帯電話の契約について☆
 今や生活になくてはならない携帯電話、要するに、スマホ。どうすると一番安心か、どうすれば一番得か、考えてる人も多いのでは。
 ボストンでのスマホ生活の送り方としては、①日本で契約する(メジャーなキャリア各社が、アメリカでのサービスを持っていたはず)あるいは②アメリカで契約する、の二択があると思う。
 では、どちらを選ぶか。

 ボストンはwifiが発達している。国際線の窓口となるボストンローガン空港のwifiがフリーであることに始まり、スタバを始めとしてだいたいどこのカフェやレストランでもwifiは飛んでいるし、タフツの敷地内はもちろん。家も無線LANを申し込むことがほぼデフォルトだろう。となると、wifi以外の、自分の契約している回線を使ってデータ通信をするのなんて移動中くらい。
 ①の利点は、恐らく、慣れ親しんだ日本で契約する安心感と、データ通信使い放題であること、そして日本の固定電話かどこかに電話かけ放題とか、そういう面だろう。データ通信使い放題は、恐らくボストンではそこまで力を発揮しない。前述のように、wifiが飛びまくっているから。となると、データ通信使い放題以外のところにものすごく魅力を感じる場合は、①でもいいかもしれないが、日本の感覚と同じく、使い放題という部分に魅かれているのであれば、②でも全く構わないと私は思う。あくまで個人的な意見ですが。

 契約は、ボストンではそこまで難しくない。AT&T, T mobile, Verizonあたりを使っている人が多いように感じているが、どれもダウンタウン(駅で言うと、Downtown Crossing, Park Streetあたりを中心に広がっているエリア)にいけば簡単に店舗を見つけられる。それぞれの長所、短所については私はよく知らないし、タフツ大学のキャンパス内では基本的にwifiが繋がるので、どのキャリアが繋がりやすいかなんていうのもあまり気にしたことがない。。どれでもあんまり変わりないんじゃないかなーなんて思ってるけど、精査したいのであれば、アメリカ人の友達に聞いてみるといいと思う。
(サマースクールであれば、フレッチャーの学生がTAとして週に一度は登場すると思うので、その人に聞いてみてもよいかも。)

 契約にあたっては、SSN (Social Security Number)がなくても、パスポートと既存のクレジットカード等、身分証明がきちんとできて、SSNの代わりにデポジットが払えれば問題なく契約できる様子。デポジットの額は、色々聞くが、高くても500ドルくらいだと思う。

 というわけで、前回の口座開設と同じく、ちょっと英語で話すのがストレスフルなだけで、非アメリカ人としての立場のせいで何かややこしい問題に直面することはまずないと思ってもらって大丈夫だと思います。上述したAT&T, T mobile, Verizonはどれも大手で信頼おける会社だと思うので、そういう意味でも大丈夫なはず。ボストンは留学生が多いので、店員さんも非アメリカ人慣れしてる部分があるし。

 なお、AT&TやT mobileでは、実際の家族でなくてもできる「家族割り」的な制度があるらしい。友達4人くらい(4人以下だったかな…そのへんはよく知りません)で「家族」と呼ばれるグループを作って契約すると、全員で請求書を共有するようになり、その結果、普通に契約するより安くなるそう。自分自身がやっていないのでこのへんはうろ覚えというか、曖昧ですが、従量制ながらも月々50ドル程度で収まるとか聞いています。(従量制なので、定められている以上にパケット通信をしてしまうと追加金額が発生するようだけど、wifi天国で普通に暮らしていれば問題なさそう。)なので、渡航してすぐに急いで一人で契約に行くより、4人程度友達を集めて一緒に行くと、もっと幸せなボストンライフが送れるかもしれません。

※以上については、私も正確なところはよくわかっていないし、携帯会社なんてこの一年の間にもきっと色々新しいプランを出して来ていると思うので、正確な情報については各社のホームページを読むか、実際に店舗で店員さんと話してみて下さいね!

 私はiphoneを使っているんですが、今のところ友達との間でよく使う連絡方法は、個人的ランキングでは①Text messages, ②facebook messenger, ③普通のメール, ④Whats App, ⑤LINE(一部日本人の友人とだけ)かなー。①以外は、データ通信を使ってやり取りするので、wifiがあればやはり問題はありません。
 日本でiphoneを持ってたことがないので、①text messageというのがiphoneならデフォルトで入ってるものなのかどうかはわかりません。。なんか緑色の、吹き出しマークのアイコンで、電話番号を知ってたらそれでメッセージが送れるやつ。日本でもあったのかなぁ、これ。とにかく、一番よくバーチャルでも連絡を取り合う友達たちとはこれを使ってます。仕組みはよくわからないけど、半分くらいの友人とのやり取りはデータ通信、残り半分は電話回線を使って送受信されている様子。。なお、「メールするね!」というかわりに、"I'll text you!"というフレーズの方がよく聞く気がする。本当にEメールを送る場合は別だけど。
 ④はLINEと殆ど同種のアプリで、アメリカで普及しているものです。普通にダウンロードできる。よくこれを使う人たちもいるみたいだけど、たまたまなのか私の周りではあんまり使っている人がいない。ただ、最初の学期の経済学のスタディグループでは、連絡をとるためにWhats Appのグループを作ったりもしたので、アカウントだけ作っておくといつか使う時があるかも。私は、そのスタディグループ以来一度も使ってないけど…。
 ⑤LINEは日本人どうしで連絡をとる時に変わらず使ったり、日本に滞在経験のある学生がアカウントを持っていたりするので、そんな時は話の種になります。
 ちなみに、まめ知識ですが、スマホのアプリのことをこちらの学生たちはApp(発音は、エーピーピー)と呼んでるみたい。今ふと、アメリカ生活で便利なAppについていつか書こうかと思ったけど、新しくダウンロードしたものがWhats Appとyelp以外にほぼないことに気付いたので、私には書けそうにありません。。



唐突ですが、Charles River. たまに行くと落ち着く。


☆勝手にボストン観光名所紹介(2:イザベラ・ガードナー・ミュージアム)☆
 別に美術館マニアというわけではないんですが、ボストンにはいい美術館が色々とあるので必然的にこうなってます。単純に観光するだけじゃなかなかたくさん訪れるのは難しいから、ボストンに住むことの醍醐味の一つかもしれません。

 さて、この美術館、ネイティブの友人ですら「Elizabeth something museum」と完全に間違って覚えてしまうほど長い名前ですが、正式名称はイザベラ・スチュワート・ガードナー・ミュージアム(Isabella Steward Gardner Museum)。こないだ紹介したボストン美術館のすぐ近く。駅も同じく、Green LineのMuseum of Fine Arts駅から徒歩5分ほど。イザベラさんというお金持ちの女性が集めた美術品で古代ローマ風の邸宅を飾り上げたという何とも豪勢な美術館ですが、「自然光で楽しむ美術品」というモチーフの通り、光がたくさん入った中庭はタイムスリップした気分になれる美しさで、それぞれピンクだったり青だったりテーマやテーマカラーの異なる各部屋は歩き回るだけで楽しい! 3階建てだけど、そこまで床面積が大きくないので2時間くらいあれば全部回れるかな。同級生の間でも、「あそこ楽しいよね!」と評判がよい美術館。無料にはならないけど、学割がきく。

 イザベラ・ガードナー・ミュージアムの写真はそういえば撮っていないので、上記リンクから公式HPでお楽しみ下さい。笑 

ボストン生活のセットアップ(1:口座開設)

 そろそろボストンに渡航する人も増えてくる頃かと思うので、渡航前ではなく、渡航後のことに話を移そうかと。渡航後に直面するであろう生活の様々は(1)銀行口座、(2)携帯電話、(3)家探し(以前の記事参照)というところかな。後々思い付いたらまた追記するかもです。ご家族帯同の場合については、また別途記事が書かれるはず。
 渡航前については、過去記事(等)をご参照下さい。
 今回は(1)銀行口座開設(Bank of Americaの場合)について書きます。

 そういえば、前回の投稿にもあったが、入国審査の際にパスポート・ビザ・I-20は常にセットである。パスポートがあってもビザがあっても、I-20がないと入国できない。(あるいは別室にしばらく閉じ込められて面倒なことになる。)カナダから歩いてアメリカに入国する際ですら必要なので、預け入れ荷物に入れるのではなく、手元に絶対持っておいて下さい。

☆銀行口座☆
 さすがに1年以上のアメリカ滞在となると、現地の銀行口座がないと不便だと思う。すくなくともボストンでは。以前から何度か触れられているように、citibankは確かにあるから、そこでお金を引き出せばいいじゃん?と思っている方もいるかもしれないが、①支店・ATMが格段に少ないし、そもそもフレッチャー近辺にはない、②土日はATMに入れない可能性が高い、③アメリカの銀行に対してwire transfer(振り込み)は原則としてできない(日本の支店の方にいちいち登録しないとだめなはず)、という様々な不便さにより、citibankだけで暮らしていくのは止めた方がいい。というのが私の結論。

 フレッチャー生の多くに普及しているのがBank of America(通称バンカメ)である。アメリカは広いだけあって、地域や都市によって普及率の高い銀行が全然違うようで、例えばニューヨークのマンハッタンではCHASE(だったかな?)という銀行を多く見かけるし、カリフォルニアではまた全然違う銀行が普及しているようだが、フレッチャーで過ごす限り、バンカメの口座を持っておけばまず間違いないと思う。
 その理由としては単純に以下3つ。
① 支店・ATM数が格段に多い。キャンパス内にもあるし、学校から駅までの間にも数個ある。最寄り駅(Davis Square)の周りにも2つある。
② バンカメの口座を持っている学生が多い。(この利便性については後で触れます。)
③ check(小切手)を使えるようになる。
(私は今度引っ越しをするので2人の大家さんを知っているけど、どちらも月々の家賃をcheckで払うように言って来ている。個人間で大金を動かす場合はいまだにcheckがメジャーな手段なのかな。ので、特に一人暮らしをする場合は、checkがないと不便かも。更に言うと、後々書こうかと思うが、場合によっては身分証明書発行の際にcheckがあると便利なこともある。)

 バンカメの口座開設は簡単。ここに書く必要があるのかどうかもよくわからないくらい簡単。適当な支店に行って、「学生なんですけど、口座開設したいんですけど…」と言って、様々な書類を見せるだけ。正確には覚えていないが、確か身分証明をし、奨学金の額等「収入」を記入し、っていうそれくらいだった気がする。その「収入」記入欄が一番手こずった(自分がもらっている奨学金の額を覚えていなかったから)ので、それがわかるようにだけ準備しておくと安心かも。
 以上がうまく行くと、その日のうちに口座は開設され、運が良ければ銀行の職員さんがATMの使い方を教えてくれて、一週間ほどすればデビットカード(=日本の銀行の引き落とし専用カードとほぼ同じ)が送られてくると思う。要するに、「口座を開設したい」ということについて英語で説明するのがストレスフルなだけですが、身分証明ができれば何とかなります。ちゃんとした銀行なはずなので、変な契約とかを結ばされることはありません。たぶん。
 なお、身分証明だが、パスポート、ビザ、I-20、学生証(サマースクールが始まると同時に、ぺらぺらの学生証がもらえる)を含め、手元にあるものを全部持って行けば何とかなる。SSN (Social security number)はいらなかった。 あと、確かとりあえずいくらか口座に入金する必要があったはずなので、20ドルとかでいいから現金を持って行く必要がある。

 デビットカードは、ATMからお金を引き下ろすのみならず、たいがいの場面でクレジットカードと同じように機能する。例えばみんな大好きCVSで買い物をしたとき、現金で払うという選択肢以外に、デビットで払うのか、クレジットで払うのか、という選択肢が必ず提示される。
 デビットとクレジットの違いは、その瞬間に引き落とされるか、翌月にまとめて引き落とされるかの違いだけ。スキャムされた時が怖いけど、一枚あると便利である。

 バンカメの口座を開設すると、デビットカードのみならず、バンカメのクレジットカードを申し込むこともできる。ただ、アメリカで暮らすのは初めてという場合、クレジットヒストリーがない上、学生ゆえに奨学金等以外の収入もゼロだろうから、後々保証人のサインを求められるかもしれない。
 確か、バンカメのクレジットカードを持っていると、口座維持費がかからない(デビットだけだと、口座に入っている平均額が2000ドルを下回ると維持費が発生する)とかいうメリットがあったはず。あとは、だいたいデビットでオンラインショッピングができるけど、たまにできない時があるので、アメリカのクレジットカードがあると何かと便利だ、とかでしょうか。
 いずれにせよ、別にこちらから言い出さなくても、デビットカードの手続が終わったら銀行側から「クレジットカードも作る?」とか言ってくるはず。私たちは言われました。クレジットカードも欲しくて、でも先方から何も言ってこない時は自ら主張して下さい。

 Check つまり小切手は、特別に申し込みをして手数料を払わないと手に入らない。口座開設したその日に申し込めるかは、自分がやっていないのでわからないけど、申し込んだ日から発行までに1〜2週間かかるので、使うことがわかっていれば早めに申し込んだ方がいい。
 ただ、checkには住所が印刷されるので、例えばサマースクールの寮にいる間に申し込んでも、引っ越した後にまた再発行してもらわなきゃいけないから面倒かもしれない。自分がいつ使うのか、引っ越す予定はあるか、等々勘案して、適切なタイミングで申し込みましょう。

 ところで、アメリカの学生が割り勘をする時、現金のやりとりではなく、バンカメのwire transferを使うことが多い。(最近はVenmoも順調に普及しているけど…)バンカメの口座を持っている人どうしの間では、口座番号あるいはメールアドレスだけで、手数料なしで相手の口座に送金することが可能である。そして、例えばUberに相乗りしたとき、例えば一緒にご飯を食べに行った時(※)など、そんな機会には数多く巡り会うはず。
 これ、渡米当初は慣れなかったけど今ではとっても便利でいいなぁと思います。「6.53ドルずつね」とか言われても、細かい額を現金で揃えるのは(例えカード社会でなかったとしても)面倒。。一緒に旅行行った後に例えば300ドルとか、高額を現金で渡すのもちょっと怖いし相手も困る。そこを、バンカメのホームページでちゃちゃっと額を打ち込むだけで正確な金額が送金できるのは、本当に便利な機能だなぁと思う。

※ カードの枚数がそこまで多くなければ、お店で出してもらった請求書入れ(?)にカードを何枚かはさんで「split please」と言えば(言わなくても)お店側が勝手に割り勘してくれますが、お店によってはsplitで使えるカード枚数を制限しているところもあるので、いつでもそれが使えるわけではありません。
 
☆勝手にボストン観光名所紹介(1:ボストン美術館)☆
 「1」と書いたものの、どこまで続くかわかりませんが。。言わずと知れた著名な美術館、Museum of Fine Arts。タフツのサマースクール生の間は学割がきくだけかもしれないけど、フレッチャーの学生証が手に入るとなんと無料なのでぜひぜひ9月以降に何度でも行って下さい!笑 一日で回りきれないくらい、とーっても広いけど、さすが有名なだけあって、素敵な美術館です。(他方、日本人に人気の絵は、ちょうど今日本の美術館を行脚しているようで、ボストンから不在の模様…。)
 更に今、北斎展が行われていて、日本でも見られないし、ボストン美術館でも滅多に見られないという貴重な展示がされているとか。ついさっき書いたことと矛盾しますが、8月9日までだそうなので、こちらも足を運んでみられてはいかがでしょうか。Green Line の Museum of Fine Arts駅目の前。わかりやすい名前ですね。フレッチャーからだと、乗り換え(Park StreetでRed LineからGreen Lineへ)含めて1時間弱くらいかかるのかな。
 すぐ近くにあるエメラルドネックレスという公園も、秋は紅葉が綺麗だし、夏は暑すぎるかもしれないけど、散歩にいいところです。




Museum of Fine Arts: ちょうど去年の7月頃に訪れたときの外観写真。




Emerald Necklace: 秋の紅葉時期。

2015年6月16日火曜日

渡航に向けてのアドバイスとボストン生活について(その3)

最近のボストンは寒暖の差が激しいです。夜眠れないような日があったかと思うと、今日は雨で長袖でないと外を歩けないくらいでした。

さて、そろそろ私のネタも尽きてきました。渡航準備関係はこれで最後になるかも。そういえば、今年のサマースクールのティーチャーは去年とは違うみたいです。Beth先生の懇切丁寧なアメリカンな指導が受けられないのは、残念ですね笑

③ 家賃と生活費(補足)
 家探しの際、家具付きfurnishedかどうか、光熱費などのユーティリティが含まれているかどうか、はよく確認してくださいね。私はオール込みの家に住んでいるので伝聞ですが、一人暮らし男性で、電気・水道代は約$40、ネット・TV契約料が約$100とのこと。

 それと、日本ではあまり見なかったのですが、こちらでは中古の家具の売買がかなり盛んです。日本人オンリーの取引掲示板もありますので、家具や車の調達は結構楽だと思います。

⑪ 空港から市街へのアクセス
 地球の歩き方が詳しいですが、主にタクシーかシルバーライン(バス)Silverline+レッドラインのどちらかでしょうか。

 まず、タクシーは結構高いです。地球の歩き方にもありますが、大体市街までは$35~45でしょうか。私は渡米直後ノースステーションNorth Station近辺のホテルに滞在しましたが、そこまで$45でした。これにチップを入れると$50ですかね。地理感覚がついた今思うと、ちょっと割高だったような気がします…

 おすすめはシルバーライン利用。何と今ならタダです。大荷物を持っている場合はちょいとつらいですが、意外とバスは広いですし、でかいカバン2つくらいまでなら載せても怒られない雰囲気です。そして、当初は知らずタクシーに流れましたが、空港出口にシルバーラインの乗り場があるので、かなり便利です。料金も発生しないので運転手のいないドアから乗ってもOK、そしていらぬ会話も発生しないので、渡米当初の自信がない人にも安心設計です笑本数もそれなりに多いですし、ローガンはwifiがフリーなので、待っていても暇しません。
 空港からのシルバーラインは全てサウスステーションSouth Stationに到着します。ここはレッドラインが走っていますので、大学方面に行く場合にはInboundのエールワイフ行きに乗りましょう。シルバーラインのホームからは階段を1つ降りるだけなので、乗り換えも楽ちんです。なお、ホテルが別のエリアにあってレッドライン以外に乗る場合には、お隣のダウンタウンクロッシングDowntown CrossingでオレンジラインOrange Lineに、その隣のパークストリートPark StreetでグリーンラインGreen Lineに乗ることができます。ただ、個人的には、大荷物を持ってグリーンラインに乗ることはおすすめしません…狭い、遅い、段差がある、と、荷物持ちにはやさしくない設計ですので。
 
 空港からシルバーラインを使う限り、どのラインのどの駅で降りてもタダです。どういう仕様なのかはわかりませんが、使えるものは使いましょう。逆に、空港に行くときは有料です…なんなんでしょう…

⑫ 円→ドル換金
 これはボストンに限った話ではないですが、アメリカはクレジットカードで何とでもなります。空港からのタクシーもクレジット、CVSでおいしくないパンと水のような味がする牛乳を買うときもクレジット、複数人でご飯を食べても会計はクレジットで等分、といった感じです。

 多くの人が使うであろうcitiは、前回述べたように、使えるには使えますが、使い勝手は悪いです。しかも要注意なのは、海外送金をオンライン上でやれるようにするためには、こっちのどこかの銀行で口座開設後、必要書類を日本に送付、という手続を踏む必要があり、最速でも2週間弱かかった気がします。つまり、現金が必要な場合には、あらかじめ手元に用意しておかないと、大きく損をします。

 残念ながら、私には日本で換金すべきなのか、アメリカで換金すべきなのか、はよくわかりません。1年前の記憶では、Bank of Americaのレートはそこまで悪くなかった気がします。なお、JFKでの両替は大損しました。また、ボストン市内のTravelexでの換金も最悪です。おそろしく悪いレートで換金され、無駄な手数料まで取られます。とんでもない円安なので、できる限り損しないようにしたいですね。あ、BOAもアメリカのcitiも、土曜日は銀行は開いていますが換金はできません。ご注意ください。

 なお、citiの日本国内の口座からどこかの口座にオンラインで振り込む場合、これもまた日本に申請書を送付する必要があります。すぐにはできませんので、クレジットカードの繰り上げ返済などは、日本にいるうちに始末しましょう。

⑬ 入国審査
 これはうろ覚えですが、入国審査時にI-20を出すので(渡米時絶対に忘れないでください)、それについていくつか質問されました。今にして思えばすごく単純なやり取りですが、当時は英語ってだけで震えが止まらない状況だったので、卒倒寸前でした。空港で卒倒する人がこれ以上増えないよう、参考までに聞かれたことを書いておきますね。

・ 何しに来たのか。タフツ大学では何を勉強するのか。どのくらい滞在予定か。
・ 日本では何をしていたのか。
・ 家は決まっているのか。
・ 留学が終わったらどうするのか。

⑭ 荷物の受取り
 日本からいくつか荷物を送った方もいるかと思います。サマースクールの寮に送った場合には窓口が受け取ってくれるようですが、他の場所に送った場合には、受取りに若干苦労するかもしれません。

 というのは、日本の郵便会社のように、この日のこの時間!という指定ができないためです。できるのは、この日に再配達して!だけですが、私は2回頼んで2回ともすっぽかされました。なので、最近は不在通知をもらったら、自分の足でピックアップしに行きます。これが大きい荷物だと、ちょっと大変かもしれませんね。最悪なぜか勝手に日本に返送されるという可能性もなきにしもあらずなので、ないと路頭に迷うようなものは、手荷物で持ち込んだ方が安心です。あ、クロネコとかを使えば状況は別かもしれません(値段は高いようですが)。

 なお、サマースクールの窓口も、個人的にはあまり信用ならないかなぁ。2回郵便物が届きませんでした(一つは銀行のカード、もう一つはANAのカード)。郵便会社に問題があったのかもしれませんけどね、とにかく、ここはアメリカです。そう思えは、怒らなくて済みます。

⑮ あいさつ
 これはみなさんには不要かもしれませんが、私のトラウマです。ボストンでは(というかアメリカでは)、とにかく声を掛け合います。日本では無言の会釈で人間関係がスムーズにいきますが、こっちではたとえ知っている人であろうが、第一声はHow are you?などと声を出します。

 日本の感覚で笑顔で会釈、では、アメリカ人はえ?なにこいつ?と思うようです。怪訝な顔をされます。しかし、英語に自信がない渡米当初は、なかなか声に出すことができず、とにかく店に入ったり、知っている外国人とすれ違ったりすることが怖かったです…今となれば、もう声を出すのには慣れましたけどね。
(How was your weekend?という問いかけが恐怖で恐怖で、Goodとか言っておけばいいのに、何か答えないといけないと思い、しどろもどろの引きつった笑顔で土曜日は寝ていた、とか答えていた気がします。)

 というわけで、英語を話すのは怖いかもしれませんが(私だけなのかもしれませんが)、とにかく声を出すようにしましょう。通関の第一声はHello, how are you? 終わったらHave a good day。ドアを開けてもらったらThank you。店でHow is everything so far?と聞かれたら(ほぼ100%聞かれます。チップ狙いの会話でばかばかしいですが…)Great。なんか中学校の英語講座のようですね…


(あまりに唐突なステーキの写真。マイ人生No.1のステーキですが、残念、ボストンじゃない。)



困ったことリストに残っている項目は、大学周辺の食事場所と、お子さん関係の事項ですかね。これはおいおい書いていきます。ほかの方も書かれるかもしれませんが。

2015年6月11日木曜日

スーツケースに何を入れよう?

 サマースクールの第一陣開始まであと3週間を切った。サマースクールからフレッチャー(というか、タフツ)に来る人がいるなら、そろそろ荷造りを始めている時期じゃないかなぁと思う。

 今回は、「サイズに限りのあるスーツケースに何を入れよう?何を諦めよう??」と悩んでいる人の助けになることを目的として書くことにした。前回の投稿で、日本から持って来た方がよかったものについて投稿者B(仮)から紹介があった。投稿者Bが言うとおり、自分の生活用品をどのように揃えるかについては本当に人それぞれだと思うけど、とりあえず渡航してからしばらく機嫌良く暮らして行けるように、私(投稿者C(仮))からも自分なりの経験・感想を紹介したい。雑駁な内容になってしまったけど、気軽に読んで下さい。

*読書グッズ*
・Kindle? → 持って行く必要はないけど、アメリカででも買うと便利。
 フレッチャーの近くにはなぜか本屋がない。大学構内にもちろん購買はあって、教科書はそこで売っているんだけど、普通の本屋は、隣駅Porter Squareかその更に隣のHarvard Squareまで行かないと見つからない。(私の知る限りでは…。)まぁ、アメリカではAmazon.comが普及しているので、欲しい本があればぽちっと買っちゃえばいいんですけどね。いずれにしても、個人的にはアメリカで荷物を増やすのはできるだけ避けたいので、Kindleを一個持っていると何かと便利だと思います。でもアメリカで買えます。

・和書 → 小説類はタフツの図書館に置いてあるから何とかなる。
 和書が売っている本屋さんは、NYCの紀伊国屋とブックオフが最寄りかな。笑 でも、タフツの図書館Tisch Libraryにはそれなりに和書が取り揃えてある(源氏物語から村上春樹全集まで)ので、日本語が恋しくなったらそこで色々と借りれます。借りる暇があるかはわからないけど。
 経済とか統計とかの基本書は、私は持っていないけど確かにあると便利かも。

*お風呂場グッズ*
・シャンプー&トリートメント
→簡単に手に入るから全く持ってこなくても生きては行ける。けど、アメリカ製品で満足できるか否かは本当に人それぞれなので一概に言えない。
 ボストンには、日本のコンビニと同じほどの頻度でCVSが乱立している上に開店時間も長いので、日本から全く持ってこなくても何とかなるくらいだと思います。ただ、質を気にするとなると話は別。私が知っている限り、ボストンで手に入るのは、
 ①アメリカ製品のシャンプー&トリートメント(バラエティは極めて豊富だが、あんまり質がよくない、あるいは私の髪質にあっていないだけかも)
 ②韓国資本のスーパーH Martに置いてあるTSUBAKIとか水分ヘアパックとか(高い)
 ③ブランド製品(macy's等デパートに入っているブランドや、ロクシタン等海外資本の化粧品雑貨屋のもの)
の3種類だけ。
 ①については、日本暮らしの長かったアメリカ人の友人でさえ「質が悪すぎる」と文句を言っているほど(その友人は、友達に頼んだり自分が日本に行った時に買いだめしたりして、LUXをわざわざ入手して使っていたそうです)なので、髪が傷みやすいとか、色々気になる人は高いけど②を考えるか、ものすごい荷物になるけど後々日本から送ってもらうとかすることになるのだろうか。


なんでこんな写真を撮ったのか覚えてないけど、H Martのラインナップ。

・ドライヤー
→CVSで買えるからいらないのでは。
(サマースクールの寮には備え付けられていませんが、頼んだら貸してくれるらしい。)

*スキンケア*
→メイク落としと保湿化粧水がなかなか手に入らないからとりあえず大きいやつを持って来た方がよさそう。
 アメリカに来て最初にCVSで途方に暮れたのが、メイク落としと化粧水が見当たらないこと。洗顔料(クリーム、ジェル、泡状等々)はたくさんあるし、メイクの拭き取りシートもあるんだけど、メイク落としジェル/オイルといった類のものが全く見当たらない。乳液やフェイシャルクリームはあるし、拭き取り化粧水もあるんだけど、保湿化粧水がない。
 途方に暮れた挙げ句にCVSの女性店員に、「普段どうやってケアしてるの?」と聞いてみたところ、少なくとも彼女の場合は、
・(そもそも普段からフルメイクをする習慣があまりないので)日常的には洗顔料だけ。
・フルメイクをした時は、アイメイクとかを拭き取りシートで落としている。
・洗顔料のあとに拭き取り化粧水、そして乳液・クリーム等を塗って仕上げ
とのこと。後日ネットで調べてみても、アメリカには日本のようなダブル洗顔という習慣があまり普及していないようですね。
 私もアメリカで生活を始めて1週間後には、日焼け止め以外のメイクは普段しなくなったので、メイク落としはなくても困らなくなりましたが、他の人がどうしているのかよくわかりません。(昨年夏に買って来てもらった日本のメイク落としがまだ7割ほど残っているので、何かイベント事とかでフルメイクをした際にはそれを使っています。消費期限とかあるのかな…… :( )
 他方、化粧水に関しては、macy'sやNORDSTROM等のデパートに行くと、日本でも売っているクリニークとか資生堂とかが、これも値は張るけど手に入りそうです。でも、macy'sもNORDSTROMもそこまで近くはないので、買い物に出掛けられるようになるまで乗り切る分は持って来た方がいいんじゃないかなぁ。

*服*
→最低限でよし!ただし、オフィシャルな格好は当初から一揃いは必要。運動着+運動靴があると便利かも。
 日本のファッション雑誌等に載っている服装は、フレッチャーに来ると「超おしゃれ」である。日本だと、近所のコンビニにしか行けないようなテキトーな格好で私もよく学校に行っているし、最小限の服を着回して凌いでいくことも可能。(もちろん、おしゃれしていっても全然浮いたりすることはないと思う。私の場合は自分のモチベーションの問題です。。)場所によっては冷房がガンガン効いているところもあるし、比較的すぐ涼しくなるので、秋物の上着も一枚くらいあると安心かもです。
 大学院生でもオンとオフの差がはっきりしていて、ちょっといいレストランに行く時とか、パーティとかとなると、普段はTシャツ+ショーパンみたいな格好をしていようとも、みんな突然ぱりっとした服装をする。フレッチャーのイベントでも、ビジネスカジュアルやビジネスattireが求められることもしばしばある。ので、男性はスーツ+ネクタイ+革靴、女性は「それに相当する格好」とちょっとおしゃれなワンピース一着くらい持っていると、何かと便利。タフツのサマースクールの間にも、何度かオフィシャルな格好を求められたことがありました。
 また、タフツ大学に在籍していると、やや遠いけどジム&プールが無料で使い放題!サマースクールの間も使えたはずだし、そこら中でジョギングをしている人もいるので、かさばるけど運動着や運動靴を持ってくると健康維持に役立つのでは。
 そして、冬服について。北海道に住んでいる方はもしかしたら話が別かもしれないけど、東京以北に住んだことがなかった私からすると、ボストンの冬は尋常でなく寒い。特に、今年の冬は積雪最高記録を更新したようで、「あぁ今日はマイナス20度なんだね」なんて日も何度かあった。
 投稿者Bが書いていたとおり、冬の「装備」(コート、スノーブーツ、本気の手袋等)はボストンで揃える方が効率的だし種類も豊富。コート(ダウンコートを着ている人が多い)やスノーブーツは値が張るけど、ないと生きていけないから秋には潔く買うべし。


ボストンの本気はこんな感じ。膝下まで埋まっています。

*文房具*
→個人的には、定規以外は別にアメリカ製品でも何とかなっているかな。。
 とあるアメリカ人の友人の家(日本に理解はあるけど、熱狂的な日本文化ファンというわけではない)にお邪魔したことがあるのだが、MONO消しゴムがたくさん置いてあって、「アメリカの消しゴムとMONOはレベルが違う!MONOはアメリカに進出したら絶対売れると思う!」と家族ぐるみで熱弁されたこともあるが、個人的にはアメリカの文房具でもまぁ何とかなるんじゃないかなぁと思う。確かに蛍光ペンは異様に太いし、ボールペンは出にくい。でも、2年間看過できないほどではない。というのが私の感想。
 ルーズリーフ、ノートとかは逆に持ってこない方がいいのではないか。確かにアメリカのノートは異様に太いし重いけど、日本のノートとはまずサイズが違う(日本はB5とかだけど、アメリカだとUS Letter)し、ルーズリーフだと穴の開け方も違う(日本だと2穴から始まるけど、アメリカは3穴)から、互換性がほぼなくて不便だと思う。2年間乗り切れるくらいの量を持ってくるなら話は別だけど。
 定規は、几帳面な人がもし経済系の勉強をするとかで必要なら持って行くといいかもしれない。1年目の秋学期に初級経済の授業でグラフを書く必要が多々あったので、いつもフリーハンドの私も、さすがに試験前には定規を買おうと学校の購買に行ったら、30センチ物差しみたいなばかでかいやつしか売っていなかった(から、買わなかった)。

*その他*
・変圧器等々
 アメリカで暮らす分には必要ないけど、南米とかヨーロッパとかに旅行に行きたいとか思ってる人で、日本の電化製品(PCとか)を持ってくる予定の人は、その時ないと困るのでは。と想像しています。
・ささやかな日本食
 税関でひっかからないものである必要があるけど、例えばインスタントみそ汁とか日本茶とか、日本のスナックとか、アジア系資本のスーパーに行けるまでを乗り越えるためにちょっとでもあった方が精神衛生上よさそう。
・現金、特に25セント硬貨。
 高額紙幣は、クレジットカードがあればまず使わないのでなくても平気。むしろ、コインランドリーとかで使う25セント硬貨が一番必要になる気がする。
・サングラス
 ボストンの紫外線は格段に日本より強いと感じている。最近、私は裸眼で2時間も歩くと目がしょぼしょぼになっちゃいます…。もし今使っているのがあるなら、ぜひ持って来て、着いたその日から使う方がいい。
・折りたたみ傘
 アメリカの折りたたみ傘は、どこがコンパクトやねん、と突っ込みたくなるほど巨大なやつが多い。小さいやつも探せば売っているんだろうけど、なかなかない。そして基本的にダサい(真っ黒とか真っ黄色とか、ビーチパラソルみたいなやつとか)。日本の折りたたみ傘は本当にちっちゃくて可愛い/かっこいい素晴らしい傘なので、当初からぜひ持って来た方がいい。夏もたまにスコールのような雨が降ったりします。長い傘はあんまり使い時がないので、なくてもいいと思いますが…。


冬はこんなでも、


夏はこんなに綺麗な街です。


2015年6月9日火曜日

渡航に向けてのアドバイスとボストン生活について(その2)

ボストンは急に夏になりました。日差しが厳しいです。

さて、前回の投稿の続きで、渡航準備のためのアドバイスと、渡航後の試練?についてです。飛行機の中で心の準備をしておいてください。

⑤ 治安
 私はほかの都市に住んだことはありませんが、ボストンの治安はいいと思います。生活で必要なエリアに、踏み入れるなというエリアはありません。サンフランシスコのように、観光地から一本入ったら危険な地域、ということも、ボストンではありません。深夜一時を過ぎた地下鉄にも人はいますし、駅から歩いて帰っても危険を感じたことはありません(ポーターだけですが)。

 ただ、大学周辺ではときおり強盗(かつあげ?)が発生するしているようです。その周辺に住む予定の方は、少し気を付けた方がよいのかもしれません。

⑥ 住宅の確保
 ボストンでは、退去の2か月前に大家にそれを通告し、それと同時にHPで募集がかかります。日本のように退去後クリーニングが入る、ということはなく、前の住人が出たその日に入居します。つまり、入居したい日の2か月前から、物件の選択肢はどんどん減っていくということです。しかも、日本人にとってはものすごく高いボストンの家賃であっても、物件は驚くほどすぐになくなります。ですので、HP等で気になった物件がある方は、早めにエージェントに連絡をとることをお勧めします。

 内見ができずに契約するのに躊躇する場合は、すでにこちらにいる日本人の友人に頼んでみるのも手かもしれませんね。

⑦ 銀行
 日本にいるときは、外国でも使える銀行はシティciti、と聞いていたのですが、ボストンではそれは間違いかもしれません。

 要注意なのは、日本のシティで作ったカードでこちらのATMで引き出しは可能ですが、手数料が高く、また銀行が閉店する17:00以降は扉にロックがかかり、そのロックを日本のカードでは解除できません。しかも、大学構内にはcitiのATMはなく、最寄りはポータースクエア駅前です。
※ ポータースクエア、ハーバードスクエアのcitiがなくなった模様(2016年3月現在)。となると、送金ができるようになるまでの生活分の現金を持ってこないといけないかも。
 
 なので、こちらにいらっしゃる方のほとんどが、バンクオブアメリカBank of Americaで口座を作っています。構内にもATMがありますし、何よりボストン市内にはシティよりも多くATMがありますので、非常に便利です。

 この口座開設が渡航後すぐに訪れる試練の一つと(個人的には)思っています。そのやり取りなどは、あとで誰かが書いてくれると期待しましょう笑

⑧ 携帯
 私はこちらでiphoneを購入し、携帯会社と契約しました。こちらで使える携帯を日本で契約している方もいるようですね。ただ、聞くところによると機種の選択肢の幅が狭いとか。

 契約形態としては、通話もネットも従量制、無制限の通話+従量制?のネットといったものがあります。私は前者なので後者の費用がよくわかりませんが、宣伝で見る限り、最低限のネットのプランで$50くらいのようです。これも、誰かが補足してくれるでしょう。

 なお、こちらの学生さんはショートメールを結構多用します。また、フリーのwifiもいろいろなところにあるので、通話・ネット従量制プランの方が安く済ませることができるのかもしれません。

⑨ 外食
 みなさんが気になるのは日本食かと思います。結論から言えば、ボストンには日本食のお店がたくさんあります。が、yelpとかでおいしいと言われているところも、正直日本人にとっては値段と味が釣り合わない気がします。たとえば、ハーバードスクエアにcafe sushiという店があり、そこは連日人がたくさん入っていますが、個人的には回転ずしレベルの味なのに、チップも含めて大体$40~50くらいします。

 一方、ポータースクエア駅前にあるPorter Exchange Mallには、不思議なことに日本のとんかつ定食や天丼などを出す店がいくつかあります。代表的なのはcafe mamiというところで、日本で食べるのと全く同じ味のハンバーグ定食が、$11くらいで食べられます。日本の価格帯からすると高いですが、ボストンでは安く、また、日本と同じ味が食べられるということもあって、結構人気です。

 それと、ラーメン屋もあります。こちらの一般的なラーメンの特徴として、醤油であっても少し甘めの味付けのものが多いのですが、それなりに日本で食べる味に似ている店も増えてきているようです。アメリカ人にも人気なのが、二郎系ラーメンの夢を語れでしょうか。私も何回か行きましたが、日本の味そのものです。これもポータースクエアにあり、日本人にとっては、楽園のようなエリアですね。なお、日本では考えられませんが、ラーメン一杯$12(チップ除く)とかです。


(夢を語れのラーメン。アメリカ人はこれを見て興奮します。)

 大学周辺では外食の店があまりありません。学食はビュッフェスタイルで、テレビで見るアメリカンなもの!を楽しむのにはいいところですが、私にとっては、正直一か月に一回で十分です。しかも昼で$12くらいで、決して安くはありません。学期中の食事の確保は、生活費の節約の上では結構重要かもしれませんね。

 なお、学生にとっては少し厳しい価格帯ですが、ボストン市内にはかなりおいしいお店が多いです。肉好き、魚好き、ワイン好き、飲茶好き、ロールケーキ好き、といった個別の好みを全て満たしてくれるだけの選択肢はありますので、食事が人生の方もご安心ください。


(肉はやはりおいしい)

⑩ 日本から持ってきた方がよいもの
 これは箇条書きで。おそらくいろいろな人がいろいろな経験、意見をお持ちだと思うので、あとの方にも期待しましょう。

・ 文房具(特にホチキス。こちらのホチキスはでかい・高い・20枚くらいしか噛まない、といいことなしです。)
・ 常備薬(CVSにもたくさん売っていますが、英語がさっぱりわかりません。あと、アメリカ人曰く、結構効果が強くて、飲むと眠くなるらしい。)
・ ちょっとした日本の小物(アメリカ人を惹きつけるいいアイテムです。)
・ 統計学・経済学の本(マンキュー経済学は多くの日本人が持っているようです。)
・ ラーメンスープの素(こちらでは麺は売っていますが、お湯でとく袋詰めの液体スープの素は売っていません。あると一食安く済みますので、おすすめ。)
・ 歯ブラシ(こっちの歯ブラシは動物用かと思うくらい、堅くてでかいです。)
・ (使うなら)ハード系のヘアワックス(あまりちゃんとしたのを見たことがないです。)

 今思い付くのはこんなところでしょうか。また追加があったら、こっそり追記しておきます。


語学学校開始まで、あと三週間くらいでしょうか。(値段は高いですが)意外とこっちに来てから買えるものも多いので、本当に必要なものを見極めて、パッキング頑張ってください。

2015年6月8日月曜日

サマースクール(Summer Institute for International Scholars)

 フレッチャーに入学することが決まったら、英語力次第では英語力向上のためのサマースクールへの参加を求められることになる。サマースクールに通うことを条件とする合格のことはConditional(条件つき)と呼ばれているわけだけど、決して自分の英語力のことやサマースクールに参加することを恥ずかしく思う必要はない。よくも悪くも多くの日本人が参加しているし、タフツ大学のサマースクールに参加するメリットはたくさんある。
 今回は、昨年(2014年)のサマースクールでの経験を書きたいと思う。なお、タフツ大学が提供しているサマースクールは6週間コース、4週間コース等色々あるけれども、私が参加したのは大学院に進学する学生を対象とした6週間のSummer Institute for International Scholarsというコースだった。実際行われるコースの名称や時期については、進学決定後にフレッチャーから案内があるはずのパッケージを参照して下さい。




前回の投稿にあるように、フレッチャーはボストン所在ではないのだけれど。


*期間*
 2014年6月末から8月初頭までの6週間。

*メンバー*
 日本人9名、中国人2名、韓国人2名、ベトナム人1名、ギリシャ人1名、アルバニア人1名。中国人1人以外は全員フレッチャー生。それにしても、日本人が圧倒的多数…。日本人が多いのは毎年恒例のようですが。

*授業内容*
 基本的に授業は月曜〜金曜の午前中に行われる。主にスピーキングとライティング能力を向上させることを目的としたプログラムで、6週間の締めくくりとしては10ページのペーパー(テーマは自由)を書き上げ、それに関して20分弱のプレゼンテーションを行うことになる。そのため、6週間を通して、アカデミックペーパーの書き方(引用の仕方、段落組みの仕方等技術的なことが中心)の説明があり、途中からは毎日のようにペーパーを提出して講師の添削を受けることになる。もちろん、テーマが自由で講師がその分野に精通していることは稀…というか、まずないので、内容というよりも英語的な観点からの添削がほとんど。内容については、ペーパーのアウトラインについて各自発表し、クラスメイトから意見をもらったりする機会があった。このペーパーを書いたり、プレゼンの準備をしたりするのが、もし今まで全く経験がないのであれば結構苦労するところでもある。フレッチャーを1年終えた今になって思えば、10ページのペーパーはそんなにおおごとではないのだけれど、当時は書き方もわからず英語力も今より更に低く、文献の調べ方も手探りで、本当に辛かったなぁ。。
 ペーパーの書き方講座に加えて、各自が選んだニューストピックに関する議論を毎日1時間程度していたように記憶している。英語の発言力が概して弱い日本人(あくまで一般論ですが)にとっては、よく喋る中国人とか韓国人とかベトナム人とかヨーロッパ勢に囲まれて議論に参加するのは結構厳しい…。。けれど、全員留学生である分、アメリカ人に囲まれているフレッチャーの授業中よりは遥かにプレッシャーが低いはずなので、とりあえず「大勢の前で英語で発言する」度胸をつけるべし、と思います。
 ただ、講師も、学生からの意見を聞いたりしながらかなりフレキシブルに授業内容を変えてくるので、何が行われるかはその日にならないとわからない、ということが多かった。発音練習を30分くらいしていた回もあるし、アメリカ文化に関する映画を観ていた回も、スティーブ・ジョブズのスピーチをyou tubeで聞いていた回もある。もし、「こういうことがしたい!」という具体的なアイデアがあれば、言ってみたら実現される可能性は高いだろうから、どんどん主張してみるといいかもしれない。

 水曜の午後には、フレッチャーの学生1人をTAとして、1〜2時間ほど補助的な「講義」が行われる。かぎかっこ付きにしたのは、毎週行われる内容が異なっていたから。だいたい、フレッチャー生と何らかの話題について議論したり、フレッチャーツアーをしたり、というような内容だったように思う。ただ、もともとのコースには入っていない、フレッチャーが厚意で(?)行っているものだと思われるので、家庭の事情等があれば参加は強制されるものではない。ただ、このフレッチャーの学生は、サマースクールの間に一番知り合いやすいフレッチャー生だと思うので、仲良くなって色々教えてもらえると助かる部分も多いはず。

 実際ここで英語力が向上したか、と言われると答えるのが難しいところもあるけれど、英語で話すことに対する慣れを身につけたことや、英語を実際に運用する上での自分の弱点を改めて認識できた、という観点からは、参加してよかったのかなと思う。また、後述するように、クラスメイトと6週間を共にしたことで仲良くなれたことは何よりの財産だった。

*サマースクールの間の暮らし*
 家族連れで来ている人など一部の例外はあるが、タフツ大学のキャンパス内の寮(フレッチャーの寮Blakelyではない)に住んで、大学の食堂で3食たべる、という生活をしている人が私を含め7〜8名ほどいたと思う。メリットは、何より大学構内なので教室も遠くはなく、渡米前に家探しをする面倒くささもないし、食事の心配をする必要もないということ。寮は普段は学部生が使っている寮なので全く洒落たものではなく、ベッドに勉強机、扇風機と備え付けの衣装棚がついているだけのシンプルなものである。(Summer Instituteに参加する学生は、恐らく全員個室を与えられると思うが、たまたまそうだったのかもしれないので確証はない。)シーツや枕は支給される。地下にはコインランドリーもあるので、洗濯・乾燥も可能。ものすごく簡素な共同シャワーブースもあるし、よく壊れているけど飲み物の自動販売機もある。ただ、タオル、ヘアドライヤー、スリッパ・ビーサン等はないし、当然シャンプーとか洗剤とかの類のものもない。日本から持ってくるには大荷物だ!と思った場合には、寮から約15分の最寄り駅Davis Squareの隣にCVSというチェーンの薬局があるのでそこでだいたい何でも揃います。
(追記:タオルあった気がしてきました。)
 なお、「扇風機?」と思われたみなさん、ボストンはとっても暑くなるにも関わらず、「夏が短いから」という理由で、冷房が完備されている家や寮はまずありません。。部屋の暑さに堪えきれなくて、私は閉館まで冷房の効いた図書館で過ごしていることが多かったです。

 授業が午前中だけなら午後は何をしていたのかというと、時期によって様々だったが、そもそも12時半頃に授業が終わり、そこから食堂にご飯を食べに行くと、2時頃までそのままそこで話していることも多かった。
(1)オフィシャルイベントへの参加
 同時期に学部生のサマースクールが行われていることもあり、そこに参加している学生を主に対象として毎日のようにボストンの観光地等に行くイベントが開催されている。ホエールウォッチングから美術館訪問、やや遠いアウトレットへのショッピング等、内容は様々だが、興味があったら参加してみると楽しい。私は1、2回しか参加しませんでしたが…。

(2)生活のセットアップ
 サマースクールに参加する大きなメリットの一つはこれだと思う。フレッチャーの学期が始まってしまうと忙しすぎてなかなか手が回らない生活のセットアップは、ぜひサマースクールの間に終わらせたい。携帯電話の契約、銀行口座の開設、家探し、必要に応じて運転免許や身分証明書の取得(準備)等が主なものだろうか。アメリカ生活に慣れていなければ、どれもそんな気楽には終わらないし、フレッチャーの立地上、街まで出掛ける手間もそこそこかかる。それぞれについてはまたいつか書く機会があると思うが(もし質問があればコメントに残して下さい)、とにかく、8月半ばまでにこういったものを終わらせておくと、フレッチャー生活のスタートアップが必ず楽になるはず。
 
(3)ペーパーライティング、宿題…
 サマースクールも後半になると、ペーパーライティングやプレゼンの準備が佳境に入ってくるので、図書館閉館の22時頃まで図書館にこもっていることも多かった。

(4)ボストン観光、各種イベント参加
 (1)のようなオフィシャルイベントに限らず、サマースクールのクラスメイトとダウンタウンまで出掛けたり、一人で観光をしたり、本当に美しいボストンの夏を楽しむ時間も思い返せば大事だった。フレッチャーの学期が始まってしまうと、ボストンのダウンタウンまで出掛ける時間はぐっと減ってしまう。ガイドブックに載っているような観光地巡りをしたり、独立記念日の花火を観に行ったり、食堂の食事に飽きて一緒にご飯を食べに出掛けたり、フレッチャー生のフェアウェルパーティをしたり、そんなことを一緒にしたサマースクールのクラスメイトとはその後授業が全くかぶらなくても、深い絆で結ばれたままだったように思う。

*留意事項*
・家探し
 サマースクールに参加すると家探しの面倒さがないとは書いたが、サマースクールが終わる8月上旬には寮から追い出されてしまう。フレッチャーの寮Blakelyに入るにしても、8月末までは入れないし、タフツ大学周辺で家を借りると9月1日が契約開始日なことが多い。そのため、何も当てがないのであれば、8月後半の家探しをサマースクール期間中に行っておくことが大事。その間の住まい探しについても、以前の投稿が参考になると思う。(サマースクール終了から家に入れるようになるまで、誰かの家に荷物を置かせてもらって旅行しまくる、という選択肢もある。)





サマースクール終了を祝うボストン湾クルーズ船上からの写真。

安全保障関係の授業

 アメリカの住民は、概してフレンドリー。どこか旅先で、全然知らない人と何だか話が弾み、Do you study in Boston? と聞かれることも少なくない。そこで、そうそう、international relationsの大学院に通っているんだ、と答えると、一瞬の間と曖昧な笑顔のあとに、「つまり何をしているの?」と話が進むことも多い。International relationsとは、何とも曖昧な単語である。

 フレッチャーのMALDにおいて学べる分野はとても幅広い。紛争解決、開発、ビジネス、エネルギー、気候変動、等々。他の分野を勉強している学生の話の内容は正直全くわからない(だから面白いんだけど)。そんなバラエティに富んだ学生グループの中で、一定の存在感を示しているのが安全保障(International Security Studies)を学んでいる学生だと思う。

 米国を始めとする各国軍隊から派遣されてきている学生、安全保障系のシンクタンクを志す学生等、動機やバックグラウンドはここでも様々。学問分野として興味を引きやすいこともあるのか、ビジネスや紛争解決等をメイン専攻としながらも、安全保障関連講義を受講している友人もいる。安全保障というと、何だか閉じられたコミュニティを想像しがちかもしれないが、フレッチャーでは決してそんなことはない。ここでも、フレッチャーのよさの一つである多様性を存分に感じることができる。

 フレッチャーの安全保障関係の授業は質・量ともに一流だと言われている。今回は、そんな安全保障関連の授業の中で、私が受講した2つについて紹介したい。

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★The Role of Force in International Politics (P240): 2014秋学期★
 ・教授:シュルツ(Richard Shultz)教授。
 ・講義形式@フレッチャー最大の教室(講堂?)ASEAN。
 International Security Studiesの必修授業だが、「必修だから仕方なしにとる」というような質の授業では決してない。フレッチャーにおいて安全保障を学ぶ基礎を実際に身につけることができる中身のある授業だからこそ、講堂を教室に使うほどの人気を誇っているのだろう。アメリカ人の受講学生が多い印象。

 約2時間×週2回という比較的長丁場の授業ではあるが、一学期間のみということもあり、講義においては1トピックを深く掘り下げるというより、幅広く基礎を丁寧におさえる方に重点がおかれていたように思う。扱った分野をざっとまとめてみても、①国際関係の理論(リアリズム、リベラリズム、安全保障のジレンマ等)、②近代戦争の発展史(ナポレオン戦争からイラク戦争まで。特に米国の経験した戦争には重きが置かれている)、③戦争倫理、④Peace Operations(国連の平和維持活動から、西洋諸国による『人道的介入』まで)、⑤テロリズム、⑥武力の果たす役割に関する理論(抑止力とは何か?等)、⑦戦略論(クラウゼヴィッツ等)、⑧非暴力主義……等々。これでもまだ全てを網羅しているわけではない。

 これだけの範囲になるので、リーディングも膨大。膨大なリーディングを分担し、試験に備えて協力するために、7〜8名のスタディグループが義務的に編成されることになっているが、各スタディグループが実際にやっていることはグループによって様々。私が所属していたスタディグループは、リーディング分担(各人が担当文献を読んで、要約を共有する)に加えて、期末試験前には過去問を元に重要と思われる箇所の復習を一緒にしたりしていた。授業そのものに向けては特に準備が必要なわけでもないが、このようにアクティブなスタディグループのための準備や、期末試験直前に必要な勉強量の多さを考えると、負担が軽いとは決して言えない授業。

 そう、この科目の成績評価は期末試験(インクラス・クローズドノート)が100%である。60ページに及んだワードのノートを読み返しながら、試験直前は何度も絶望的な気分に陥ったことを思い出す。でも、そうやってスタディグループを通して議論を深め、試験前の暗記を通して知識を定着させたことで、安全保障に関する下地が確かに身に付いたことを今になって実感できているので、大変ながらも教授やグループメイトについていってよかったなと思う。ちなみにシュルツ教授、サバティカル休暇を取りたがっているという噂があるけど、シュルツ教授じゃないRole of Forceなんて私には考えられない……

★The Strategic Dimensions of China's Rise (P273): 2015春学期★
 ・教授:ヨシハラ(Toshi Yoshihara)教授。
 ・講義形式。
 上記のRole of Forceで見かけた顔をたくさん見かけることになったこの授業、「軍事戦略とは何か」「中国の軍事戦略は何か、そしてその最終目標は何なのか」ということを追究していく授業である。安全保障学と地域研究が見事に融合した授業で、日本人で安全保障を勉強したい人にはぴったりなんじゃないだろうか。教授は、米国海軍大学校(US Naval War Academy)でも教鞭をとっており、その道の一流学者。木曜の午後5時からという余り好ましくない時間帯なのにそこそこ大きめの教室が満員となる人気ぶりで、「セミナー」と銘打たれつつも実質レクチャースタイルで行われている。International Security StudiesやPacific Asiaの履修要件を満たすために使える。

 授業の予習として割り当てられるリーディングの量はそこそこ多いけど、Role of Forceと同様に講義形式な上、スタディグループも組まれないので、恐らく手を抜こうと思えばいくらでも手を抜ける。極端な例を挙げると、最初の数回と最終回以外授業に現れない友達もいたし、教授もそれを認識しているようだった。ただ、安全保障、とりわけ中国を取り巻く情勢に興味があるのであれば、勉強してもしすぎることはないというほど中身の詰まった授業だと思う。そして、教授の軽妙な語り口と愉快なスライドのおかげで、2時間ノンストップの講義(途中でQ&Aセッションが挟まれる)ですら全く飽きることはない。

 成績評価は中間試験orブックレビュー(今年はブックレビューだった)+期末試験。ブックレビューとは、中国の戦略について分析した書籍を1冊読破し、それについて「レビュー」を書くというもの。「ブックレビューなんて中学生ぶりだわ」とか言っているアメリカ人の友人たちとは違い、果たして「レビュー」とは何なのかとひとしきり悩んだが、つまり、論理的な感想文だった。期末試験はテイクホームで、1週間の期限が与えられる。レビューも期末も当然ながらオープンブック形式なので、歯が立たないほど難しいということはまずなかったと思う。むしろ、特に期末試験は、1学期間かけて学んだことをしっかり咀嚼し、自分の考えを再構築する助けになった。「中国が何をしたいのか」ということに明快な答えを与えることは難しい、と教授が初回の授業で言っていたけど、この授業を通してその問に対する自分なりの意見は見つけることができたかな、と思う。
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 授業以外にも、たくさんのMilitary Fellows(米軍関係者で、仲良くなれば米軍の実務的な部分をきっとたくさん教えてくれる)や、毎年恒例のSIMULEX(国際的な安全保障における緊急事態のロールプレイングシミュレーション。昨年は、ロシアがウクライナに更に侵攻した場合の対応について2日間に亘りシミュレーションした)、毎週のように行われる面白い講演など、様々な観点から安全保障に関する知見を深めさせてくれるイベントが盛りだくさんである。この短い(短くしようと努力はした)ブログではとても説明しきれないので、ぜひ実際に体感してほしい。

 更に興味がある人は下記サイトも参照して下さい。

http://fletcher.tufts.edu/ISSP
http://www.fletcher.tufts.edu/Academic/Courses/Fields-of-Study/International-Security-Studies





いつも勉強に使っていた図書館のお気に入りの場所。試験が終わった後はがらがらになって寂しい…。来年も使います!


2015年6月7日日曜日

渡航に向けてのアドバイスとボストン生活について(その1)

フレッチャーから条件付き合格をもらい、そのためにサマースクールに出席する方は、そろそろ出国に向けた準備も佳境に入っているかと思います。

なので、今回は(初投稿です)、こちらにいる学生から聞き取った「渡航前に知っておけばよかった!」という情報をまとめて載せてみようかと思います。

① ボストンの地理
 前の投稿で住居の話題が出ましたが、物件を探そうにもどこが大学でどこが住むのによいかわからない、といった意見が多いです。実際、私も日本にいるうちに探そうと思いましたが、「フレッチャーはボストンにあるはずなのに、地図では見つからない…」とか途方に暮れ、結局こっちに来て大変な思いをして家を決めました…

 まず、大学があるのはボストン市ではなくメッドフォード市Medfordです。いわゆるボストン市内から車で15分くらいのところにあり、ハーバード大学のあるケンブリッジ市Cambridgeの隣です。最寄り駅はレッドラインRedlineのデイビススクエアDavis Squareですが、歩いて15分くらいかかります(学期中は駅前から定期的に大学行きのシャトルが出ていますが、休み中は自力で頑張りましょう)。

 ここで安い家を探している人は、レッドライン沿線のクインシーQuincy辺りで物件を見つけ、「ここだ!」とか思うかもしれませんが、ここは日本ではありません。駅数としてはそれほど多くないかもしれませんが、電車は止まる+遅れるで、思った以上に通学に時間がかかります。1年目は予習も大変でできる限り通学の時間は短くした方がよいと思うので、黙ってエールワイフAlewifeやポータースクエアPorter Square周辺で探しましょう。車がある人は駅にこだわらなくてもよいかもしれません。

 上でも書いたように、ボストン中心地へこれらのエリアからのアクセスは、電車の時間が読みにくいことを除けば、それほど悪くありません。このため、街に出るにも車で1時間、周りは平野で何もない世界で留学生活を終える、ということはありませんので、ご心配なく。ハーバード大学のあるハーバードスクエアHarvard Squareにもたくさんお店はありますし、ポータースクエアから1駅、デイビススクエアから2駅、エールワイフから3駅で行けます。車がなくても住むところさえ間違わなければ十分生活できます。

② スーパー
 ボストンに来てまずびっくりするのが、外食が高い&量が多い&バサバサのパンという点です。渡米翌日、日本のコンビニのようなCVSでターキーのサンドイッチを買ったのですが、でかくてまずいパンが$8でした。日本では考えられません…

 そこで留学生のほとんどが、自炊生活を送っています。自炊生活に必要なのが、アクセスのよいスーパー。車のない学生に聞くと、大体ポータースクエア駅前のスターマーケットStar Marketか、大学から少し離れたホールフーズWhole Foodsが使われているようです。私はポータースクエア在住で自転車持ちなので、駅からちょっと離れたマーケットバスケットMarket Basketも使っています。ポータースクエアは駅近にスーパーやらCVSやらホームセンターがあるので、大学周辺では最も住みやすいところではないかと思っています。

 なお、日本食材も、西海岸に比べれば高いですが、簡単に手に入ります。なので、毎日納豆を食べないと気が狂う、という方も安心でしょう。ただ、3パックで$2.5くらいなので、日本に比べると信じられないような高額商品ですが…購入できる場所は、大学から自転車で10分強のえびすやEbisuya、ハーバードスクエアの隣駅のセントラルスクエアCentral SquareそばのエイチマートH-mart、ポータースクエアから自転車10分のリライアブルReliableといった感じです。

③ 家賃と生活費
 これは覚悟しましょう。一人暮らし用でポータースクエア周辺だと、大体$1500~2000の間でしょうか。デイビスでもハーバードスクエアでも、似たようなものです。安く済ませるには寮かシェアしかありません。

 お世話になった大学院の教授から、「勉強に集中したいけど、英語が堪能ではないのなら、絶対に一人暮らししなさい。」と強く言われたので、私は一人暮らしです。ここでみなさん心配されるのが生活費かと思いますが、ちゃんと自炊をしていると、思いのほか食費はかかりません(日本にいるときはほぼ全て外食だったので、比較が悪いかもしれませんが…)。外食は高いですが、生の食材は結構安いです(たとえば、デイビススクエアそばの肉屋では、454gの豚挽き肉で$3とか)。外食を控えめにすれば、大体月に食費$120くらいで生活できた月もありました。要は工夫と努力です笑

④ 気候
 緯度が網走と同じ、と聞いて、夏は過ごしやすいんだろうなぁと思っていたら、大間違いでした。日本とは異なり湿度は低いので楽と言えば楽ですが、夏の日差しはすごいです。おまけに、語学学校の寮にはクーラーがないので、この夏、寮に入る方、頑張ってくださいとしか言いようがありません。私たちも苦しんだんだから、我慢してください。

 一方、冬はむちゃくちゃです。ニュースでも話題になりましたが、ボストンはものすごく雪が降ります。私は東北出身で、こっちにいる日本人が「雪がすごい」と言っているのを聞いては、「そんなの東北県民にはなんてことない、雪の日にもヒール履いて出かける人がそう言うんだ」とか思っていましたが、そんな私ですら、正直もう雪は嫌です。そのくらい降ります。先学期は大雪で4回くらい大学は休講になり、大雪の予報が出た瞬間に、電車は全休するという体たらくぶりでした。

 日本人に聞く限り、日本で防寒グッズをそろえるより、こっちでそろえた方がよさそうです。なので、ただでさえかさばる防寒着をたくさん持ち込む必要はないかもしれません。

 春と秋は過ごしやすいですよ。大学にある芝生のフィールドで、よく学生が昼寝をしたり、家族連れがピクニックをしたりしています。

(穏やかな初夏のハーバードヤード)
 
(うんざりする真冬のハーバードロースクール図書館前)


ちょっと長くなったので、まずはこのくらいで。次回は外食や日本から持ってきた方がよいもの、渡航後の試練などを少しずつ書いていこうかと思います。何か質問あれば、コメント残してください。