2015年5月14日木曜日

MALDプログラム

フレッチャースクールの正式名称は、フレッチャースクール法律外交大学院(The Fletcher School of Law and Diplomacy)で、そもそも法律外交大学院って何を学ぶの?という疑問を持つ方もいるかもしれないので、コースの紹介から始めたいと思う。

フレッチャーは、1933年にアメリカで初めて創設された国際関係の大学院で、2年コースのMaster of Law and Diplomacy(MALD)、Master of International Business(MIB)、1年コースのMaster of Arts(MA)、Master of Laws in International Law (LLM)、ミッドキャリア向けのGlobal Master of Arts Program(GMAP)、博士課程のDoctor of Philosophy(PhD)が存在する。


約260名の生徒がいて、その半数以上がMALD(モルド)と言われるコースに通っている。MALDは、直訳すると法律外交修士だが、学びたい内容によって、安全保障、開発、貿易、国際法、ビジネスなど様々な分野にフォーカスした授業の選択ができる。


フレッチャーの特徴としてよくコースがフレキシブルだと言われるが、卒業要件として、Breadth Requirementsという分野に関係なく皆が満たさなくてはならない要件と、Field of Studyという分野によって異なるコースの要件を満たす必要がある。卒業するには、16単位の取得が必要で、各セメスター4単位の授業を取得することになる。


<Breadth Requirement>

フレッチャーの授業は、①外交、歴史、政治学(DHP)、②国際法と国際組織(ILO)、③経済と国際ビジネス(EIB)のいずれか3つにに分類される。MALDの学生は、国際関係の幅広い知識を身につけるために、DHPの授業を2単位、ILOの授業を1単位、EIBの授業を1単位、Quanatative course(数学、統計、経済学等)を1単位取得することが卒業要件となっている。

<Field of Study>

22の専攻分野の中から、2つの専攻分野の要件を満たすことが求められている。Field of Studyは、いわば自分が何を専門としているかのアピールに使うようなもので、22の専攻分野の中にあてはまるものがなければ、自分で専攻を作ってしまうことも可能である。また、専攻は、取得するコースの要件を満たせば途中で変えることも可能である。

<Capstone>

フレッチャーの学生は、卒業要件として、Capstone(いわば修士論文)を執筆することが求められている。アカデミックな論文、ポリシーペーパー、ビジネスプランなど、いくつかの形式が認められており、就職活動先へのアピール材料として活用する学生もいる。各コースの課題や試験、就職活動もしながら、Capstoneに取り組むことは、相当大変であるが、Capstoneを通じて、これまで学んだことをより深く理解し、詳細な分析、研究を行うことができる。

参考までに、私は、今1年目が終わったばかりだが、International Business and Economic LawとInternational Business Relationsの2つを専攻分野として選んでいる。最近では、ビジネスに関心がある生徒も増えてきており、ビジネスを中心に勉強しているMALDの学生を、格好よくBusiness MALDと呼んだりしている。


授業の内容は、追って紹介したいが、私は、コーポレートファイナンスやストラテジーといったビジネス関連の授業に加え、国際投資法、国際ビジネス取引(国際私法)などの授業をこれまで履修した。フレキシブルであるがゆえに、研究テーマが絞りにくいといったデメリットもあるように思うが、私の場合は、自分の法律系の専門性を深められた上に、ファイナンスやストラテジーなどの新しい分野での知識も得ることができ、とても勉強になった。各分野も全く異なる分野のように思えて、関連性もあり、異なる分野の授業でも、違う角度から見ることができるようになり非常に面白かった。


フレッチャーは、安全保障、外交、紛争解決などに強みがあり、それらを専攻としている学生も多い。私のように、それらの分野を専攻としなくても、自分の専攻の要件を満たせば、授業を履修することは可能であるし、その分野での著名人が講演に来たり、セミナーがあったりするので、関心があれば、そういったイベントを通じて勉強することも可能である。


幅広い授業選択ができる点と、各分野で著名な教授陣が揃っていることはフレッチャーの強みかと思う。授業は、リーディングや課題の量が多く、なかなか大変だが、カルチャーナイトなどの楽しいイベントや、様々なカンファレンスなどもあり、たくさんの学ぶ機会、交流の機会が用意されている。皆、忙しい中でも、そういったイベントやクラブ活動に積極的に参加していて、楽しむときは思いっきり楽しんでいるように思う。

校風や、イベントなどの情報についても今後紹介していきたい。


春のフレッチャースクール















4 件のコメント:

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    1. Kuroさん コメントいただきありがとうございます。ご質問の件については、個別に回答させていただきたいと思いますので、fletcherjapanstudent@gmail.comまで、メールをいただけますでしょうか。お手数ですが、よろしくお願いします。

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    2. 早速のお返事ありがとうございます!先ほどご指定のメールアドレス宛にメールを送付致しました。お手数をお掛けしますが、何卒よろしくお願いいたします。

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