2015年5月18日月曜日

法律系の授業

法律系の授業で秋学期と春学期に履修した2つの授業を紹介する。

・International Business Transactions (IBT) (ILO230)
Trachtman教授により教えられている国際私法の授業。契約法、貿易管理、知財、国際課税、競争法、国際投資法、紛争解決、管轄権等と範囲は膨大。授業は、ケースを中心に進められ、コールドコールもあるため、毎回きちんとリーディングをこなす必要がある。

リーディングの量自体は、こなせない量ではないが、ケースの詳細について理解し、法的観点からの分析が必要なため、予習には時間がかかった。教授は、元弁護士でいかにもきれる感じの人なので、最初はびくびくして発言ができなかったが、途中からスタディーグループに参加させてもらい、事前に論点を整理して授業に臨むことで、発言も徐々にできるようになった。

中間試験では、国際取引の契約書を作成するために、弁護士として模擬の交渉を行い、その法的効果を検証するというもので非常に面白かった。2人のチームで、各チームにそれぞれのクライアントからの依頼書が渡されるのだが、互いのクライアントからの依頼内容は別のチームには知らされない。本当の交渉ではないので、妥協できるところはしつつ、いかにその法的効果を検証するかというところに注力した。

各分野が、それだけで一つの授業が作れるくらいの内容なので、きちんと予習しないと消化不良に終わってしまうが、国際取引に関する包括的な法律の知識を身につけられたのはよかったし、仕事でも関わっていたことについて体系的に学ぶことができたのはよかった。

アメリカ人でも、法律のバックグラウンドがない人は結構苦労しているようだったが、それでも好きになる人は多い授業のように思う。(嫌いになってしまう人もいるが。。)




IBTの教科書。重い。


・International Investment Law (ILO232)
Salacuse教授により教えられている国際投資法の授業。投資法の基本概念とケースを学ぶ。Salacuse教授は、国際仲裁の仲裁人としての経験もあり、実際扱うケースの中には、教授が関わっていたケースも出てきた。Trachtman教授の授業と比較すると、教授が説明している時間がやや長く、大人数だったためか、発言する人が決まっていたようにも思う。

グループで行う課題が3つあり、①特定の国の対内投資に関する法律の調査、②模擬の二国間投資協定(BIT)交渉のメモランダム作成、③投資協定の中の特定のルールについて調査、プレゼンを行うというものだった。

この中でも、②の模擬のBIT交渉は、韓国で実際にFTA交渉に関わっていた人がチームメイトだったため、本当の交渉の戦略を練っているようであった。この課題では、対外的な交渉だけではなく、代表している国の中でも、各省庁で意見の対立がある場合にどうするかなど、より実態に近いエクササイズになっている。交渉でも優先順位をつけながら二次案を用意しておくなど、真面目なチームメイトのおかげもあって、きちんとした戦略を持って臨むことができた。

最終試験は、レポートか試験かを選択可能で、レポートを選ぶ場合には、事前に教授にテーマやレポートの構造などについて説明したステートメントを提出する必要がある。私はレポートを選んだが、他の授業の課題等もこなしながら、30ページのレポートを書くことはは負担も大きく、途中で自分の選択を後悔したりもした。最終的には、他の授業の試験前にレポートの締め切りが設定されていたため、レポート提出後は、他の授業の試験勉強に注力できてよかったと思う。

授業を考える際には、事前に授業の負担感(リーディング、課題の量がどれくらいか、ディスカッション形式の授業か)に加えて、試験の形式、時期等についても調べた上で授業を選択することをお勧めする。




試験期間中にお世話になったドッグセラビー。他にもヨガなど、ストレス発散のためのイベントを図書館が企画してくれる。







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