2015年5月24日日曜日

住居

合格が決まって早めにはじめたいのが住居探しである。私の場合は、サマースクールに参加したため、その間に家を探すことができた。

家探しは、予算や、家族同伴か単身か、シェアか一人暮らしかなど、人によって探し方も様々だとは思うが、以下、私の経験も踏まえて紹介したい。主に単身用の情報になってしまうため、家族同伴の場合については、別途紹介できればと思う。

学生寮(On Campus Housing)
Blakery Hallという学生寮がフレッチャーのすぐ隣にある。合格してから、早めに申し込みの締め切りがあり(5月始め頃)、抽選が行われる。寮は安いため人気で、抽選に外れてしまう可能性もある。抽選に外れても、Waiting listの上の方に名前があれば、入れる可能性もある。(その頃には家探しが終わっている可能性もあるが。)

寮は、個室だが、通常3人で、共有スペースをシェアする。さらに、バスルームも、各フロア通常4人でシェアする。キッチンは、寮の1階に一つだけあり、約80人の寮生がシェアする形となっている(冷蔵庫、棚、コンロ、シンクはいくつかあり。)

寮に住むメリット、デメリットは主に以下のとおりかと思う。
<メリット>
・フレッチャーの友達が多くできる
・学校から近い(徒歩約1分)
・寮費が安い
・冬は暖房が常に効いていてあたたかい
・学校の敷地内のため、学校のWifiが使える
デメリット
・共有キッチンが狭い
・部屋が狭い
・プライバシーが一人暮らしに比べ少ない
・学校が近すぎる(メリットでもありデメリットでもある。)
・1年契約なので、2年目は別途家を探す必要がある。(抽選に当たれば、2年目も住むことは可能。ただし夏休み中は追い出される。)

私は寮に住んでいないが、住んでいる人は、友達も多く楽しそうだった。シェアすることに抵抗がない人や、家賃をできる限り抑えたい人、フレッチャーで友達を多く作りたい人には向いているかもしれない。

フレッチャー生とシェア
寮に住まない生徒で、次に多い形態が、フレッチャー生と一つの家をシェアする形だ。合格が決まると、フレッチャーの入学予定者のグループがfacebook上にでき、その場を通じてルームメイトを探したりする。家賃も、場所やシェアする人数によっても異なるが、学校の近くで約600ドル〜1200ドルくらいを支払っている人が多いように思う。

メリットとしては、フレッチャー生とのシェアなので、学校のことが常に情報交換できることと、見知らぬ人よりは安心ということがあるかと思う。

なお、Off-campusで家を探した場合も通常、契約は1年である。更新ももちろんできるが、家賃が値上がりすることが多く、更新時に家賃があまりにも上がったので引っ越したという人も聞く。また、2年生とシェアする場合には、卒業して引っ越される可能性もあるため、その場合は、2年目にまたルームメイトを見つける必要がある。

フレッチャー生ではない人とシェア
あまり多くはないが、フレッチャー生ではない人とシェアしている人も何人かおり、私もその一人である。私は、craigslistというサイトで探した。

メリットとしては、フレッチャー以外の人との交流ができ、世界が広がるということ、デメリットとしては、フレッチャー生より素性がわからないことかと思う。

私の場合は、craigslistで探して、4件程度見て回った結果、学校に近い手頃な家賃の家を見つけることができた。決め手は、安さ、ある程度の部屋の広さ、学校からの近さ、大家(landload)の人柄の良さだった。

ルームメイトは、事前に一人挨拶をした程度だったが、大家が面接をしていたため、大丈夫だろうと思って会うことなく決めた。結果、特段問題はなかったが、もし、すでに住んでいるルームメイトがいるのであれば、スカイプなどで話をして相性が合いそうか確認しておくことを勧める。

一人暮らし
シェアするよりは家賃が高くなるが、プライバシーが一番保てるのが一人暮らしかと思う。仲介料を支払って、不動産屋に探してもらうことも可能であるし、私の友人は、先ほどのcraiglistに加え、jumpoffcumpas Apartment Rental Expertsで探したと言っていた。日系の不動産会社でも、ボストンの賃貸物件を扱っている会社はいくつかあるので、それらの会社に依頼して探せば、日本語で対応してもらえるので比較的楽ではないかと思う。

追記:一人暮らしor家族暮らし用の家探しに関する情報は、次の投稿が一人暮らし用のアパートに住んでいる在校生によるものなので参考にしてもらいたい。

2015年5月22日金曜日

クラブ活動

アメリカでは、課外活動を行う場として学生クラブが存在する。日本の大学のサークルのようにレクリエーション系のクラブもあるが、多くは真面目な活動をしているクラブで、カンファレンスを企画したり、就職活動に関する情報提供をしたりしている。

フレッチャーにも、もちろん学生クラブがあり、アフリカクラブ、ラテンアメリカクラブ、アジアクラブといった国、地域別のクラブに加えて、ファイナンス、安全保障、エネルギー、開発関係などの分野ごとのクラブも存在する。クラブ一覧は、HPにも掲載されているので、参照いただきたい。http://fletcher.tufts.edu/students/student-clubs-and-organizations

学期のはじめに、校内のHall of Flagと言われる各国の国旗が並ぶホールにおいて、テーブルが並べられ、各クラブが自分たちのクラブ活動の紹介を行う。クラブに入りたい人は、そこでサインをすれば、クラブのメーリングリストに登録され、イベント等の情報が届くようになる。

複数のクラブに所属することは珍しくなく、私もとりあえず、関心があるクラブは全てサインアップした(Asia Club、ASEAN Society、Net Impact、International Business Club、WILD等)。

クラブへの関わり方は、様々で、ただメールを受け取って、関心があるイベントがあれば参加するという受け身の関わり方もあれば、より積極的にクラブ活動に参加し、リーダシップを発揮することも可能である。

クラブ活動で、特記すべきことは、昨年Japan Clubが立ち上げられたことだ。それまでも、日本に関するレクチャーなどのイベントは行ってきていたが、クラブは存在していなかった。日本にALTとして働いたことがあるアメリカ人が中心となり、Japan Clubが立ち上げられた。昨年の活動は、講演者を呼んでレクチャーをしてもらったり、ハーバードのケネディスクールと合同でディナーを開催したりした。昨年は、レクリエーション系のイベントが多かったように思うが、日本に関心がある国の人たちと交流を深めることができてよかったと思う。

日本クラブのメンバー何人かでいった北斎展@ボストン美術館

また、私は、フレッチャーで何かしらのリーダシップの役割にチャレンジしたい思っていたので、ASEAN Societyのリーダーに立候補した。フレッチャーには、東南アジア出身の人は少なく、残念ながらプレゼンスも低い。同じような意識を持つドイツ人で、シンガポールに住んでいたことがある男性が、同様にリーダーに立候補してくれたので、二人でクラブを率いることになった。

まずは、ASEAN関連の情報交換とネットワークの拡大を目的に、ハーバードのケネディースクールにあるASEAN Caucusのリーダーと相談し、合同のディナーや勉強会を開催した。また、TPPの経済効果の試算で有名なブランダイス大学のピーターペトリ教授をスピーカーとして迎え、講演を行ってもらうことができた。講演のアレンジは、ほとんどドイツ人の男性が行ってくれたが、講演者との調整状況や、講演タイトル、周知のタイミングまで細かく相談してくれたので、常に状況を把握することができて助かった。テーマのおかげもあるが、教授も含めたくさんの人に講演を聞きにきてもらうことができてよかったと思う。

他にも、より大きなクラブだと、エネルギーカンファレンスやアフリカナカンファレンスなどのカンファレンスを企画しているクラブもいくつかあり、そういったカンファレンスに企画段階から関わることもよい経験になるのではないかと思う。








2015年5月19日火曜日

卒業式

フレッチャーの卒業式は、春学期の試験等が終わってから、約1週間後に行われる。それまでに、DisOrientatonと呼ばれるイベントが毎日行われ、ライブやBBQ、Pillow Fight(まくら投げ大会)、フリーダムトレイルなどが行われ、残り少ない学生達との時間を楽しむことができる。

卒業式自体は、リハーサルも含め3日間にわたって行われる。私は、まだ1年目なので、すべてのセレモニーに出席したわけではないが、部分的にでもその様子を紹介できればと思う。

<1日目>
・卒業式リハーサル。
・海洋史研究で著名なJohn Curtis Perry教授の退職記念講義(Farewell Lecture)
・夜は、New England Clambakeという食事会(自分は参加していないが、皆でロブスターを食べている写真がとても楽しそうだった。)

<2日目>
Fletcher Classday Celemonyに参加。Classday Celemonyは次の日に行われたタフツ全体の卒業式とは異なり、フレッチャースクールだけのセレモニーになっている。

アメリカの卒業式は、屋外で行われることが多く、フレッチャーでも、フレッチャーフィールドと呼ばれる広場にテントがが貼られ、そこでセレモニーが行われる。

この日は、卒業生は、アメリカの卒業式でよく見るガウンではなく、軍の制服、民族衣装、スーツなどの服装。女性はワンピースの人も多くいて、日本の卒業式よりもカジュアルな印象だった。


式典が始まるのを待つ2年生達

フレッチャーの卒業式が行われた会場

開会は、Stravridis学長からの開会挨拶続き、Ambassachordsと言われるフレッチャーコーラス隊の歌で始まる。

フレッチャーのアルムナイで、パートナーズ・グループの上級副会長兼米州責任者であるCharles Dallara氏から、アルムナイ代表として挨拶が行われ、その後優秀学生の表彰が行われた。International Financial Managementで同じチームだったドイツ人が表彰され、嬉しかった。

その後、タフツ大学から名誉博士号を授与された前国連人権高等弁務官のDr. Navi Pillayからスピーチがあった。彼女のスピーチでは、まず、ボストンマラソンの爆破テロ事件の被告に死刑判決が下されたことに遺憾の意を表したり(ちなみにマサチューセッツ州では、死刑は禁止されているが、この事件は連邦政府により裁かれている)、人種差別、不平等の是正などの問題に関しても熱く語っていて、とても印象的だった。

午後は、レセプションが別のテントで行われ、皆、教授や家族、友人等と写真を撮ったり歓談したりして、リラックスした雰囲気だった。


<3日目>
タフツ大学の卒業式。卒業式にふさわしく晴天。


遠すぎてステージが見えない。。この右側にもずらーっと保護者や友人、在校生等が座っていた。

タフツ大学には、フレッチャーも含め合計で7つのスクールが存在するが、すべてのスクールが合同で卒業式を行う。

毎年恒例のようだが、この合同の卒業式で、最もエネルギッシュなのが、フレッチャースクールの卒業生である。フレッチャースクールの卒業生が紹介されたときには、卒業生が立ち上がって一番大きな歓声を上げる。一見大人気ないが、毎年恒例なので、皆わかりながらやっているのだと思う。フレッチャースクールの学長も「座って、座って」と注意しながらも、フレッチャー卒業生の数を発表するときは、一番張り切っている声に聞こえた。

名誉博士号の授与式があり、前述したDr. Navi Pillay、MITメディアラボ所長の伊藤穣一氏(タフツ大学中退)、アメリカ初の女性国務長官を務めたMadeleine Albrightなどに名誉博士号が授与された。

タフツ大学のマスコットキャラクターであるジャンボの銅像が、今年寄付によって建てられたことも紹介された。

皆から愛されているジャンボ君

全体の卒業式の様子は、HPでも紹介されている。https://now.tufts.edu/commencement2015

全体の式典の後は、フレッチャーフィールドに移動して、フレッチャースクールの学位授与式が行われた。まず、Teaching Awardの表彰式が行われ、開発経済学のJenny Aker助教授が授与された。私は、彼女の授業は履修しなかったが、学生との距離が近く、エネルギッシュな教授のようだ。挨拶も、ユーモアに溢れており、彼女の人気ぶりがうかがえた。

その後、在校生2人から挨拶があったが、1人目の挨拶がとてもユーモアに溢れた挨拶で、もう一人が、比較的真面目な挨拶だった。二人ともパワフルな女性で、一人目の女性は、結局フレッチャースクールとは何なのか?ということを冗談交じりに問いながら、最後は、自分自信を定義し、自分の幸せを定義できたなら、フレッチャースクールというものがより明確に定義できるようになる、というような形で上手く締めくくっていた。

卒業生一人一人の名前が呼ばれ、学位が授与された。フレッチャーは、少人数の学校だが、それでも一人一人の名前を呼んで授与するため、それなりの時間はかかった。国籍も豊かなため、よく全員の名前を発音できるなと余計な感心をしていたが、やはり、一度噛んだりしていた。


学位授与式ではガウンと防止を身につけている。

その後は、昨日と同じくレセプション。昨日、話せなかった卒業生たちと写真を撮ったり、話をしたりした。家族連れも多く、留学生は、この機会に両親を観光に連れて行くなどしているようだ。卒業したら、また世界中に散らばっていくんだろうけど、また、仕事や旅行先などで会うことができたらと思う。

生活の立ち上げから、授業、学校生活、インターンシップ、イベントの企画などなど、2年生には大変お世話になり、感謝している。

1年後には、自分も卒業する側にいるのだと思うと本当にあっという間だと思う。できる限り多くの人と関わり合い、たくさんのことを吸収できる1年にしたいと思う。


(余談)フレッチャーの近くにあるDanish Pastryというカフェもスイーツでタフツ学生の卒業をお祝い。









2015年5月18日月曜日

法律系の授業

法律系の授業で秋学期と春学期に履修した2つの授業を紹介する。

・International Business Transactions (IBT) (ILO230)
Trachtman教授により教えられている国際私法の授業。契約法、貿易管理、知財、国際課税、競争法、国際投資法、紛争解決、管轄権等と範囲は膨大。授業は、ケースを中心に進められ、コールドコールもあるため、毎回きちんとリーディングをこなす必要がある。

リーディングの量自体は、こなせない量ではないが、ケースの詳細について理解し、法的観点からの分析が必要なため、予習には時間がかかった。教授は、元弁護士でいかにもきれる感じの人なので、最初はびくびくして発言ができなかったが、途中からスタディーグループに参加させてもらい、事前に論点を整理して授業に臨むことで、発言も徐々にできるようになった。

中間試験では、国際取引の契約書を作成するために、弁護士として模擬の交渉を行い、その法的効果を検証するというもので非常に面白かった。2人のチームで、各チームにそれぞれのクライアントからの依頼書が渡されるのだが、互いのクライアントからの依頼内容は別のチームには知らされない。本当の交渉ではないので、妥協できるところはしつつ、いかにその法的効果を検証するかというところに注力した。

各分野が、それだけで一つの授業が作れるくらいの内容なので、きちんと予習しないと消化不良に終わってしまうが、国際取引に関する包括的な法律の知識を身につけられたのはよかったし、仕事でも関わっていたことについて体系的に学ぶことができたのはよかった。

アメリカ人でも、法律のバックグラウンドがない人は結構苦労しているようだったが、それでも好きになる人は多い授業のように思う。(嫌いになってしまう人もいるが。。)




IBTの教科書。重い。


・International Investment Law (ILO232)
Salacuse教授により教えられている国際投資法の授業。投資法の基本概念とケースを学ぶ。Salacuse教授は、国際仲裁の仲裁人としての経験もあり、実際扱うケースの中には、教授が関わっていたケースも出てきた。Trachtman教授の授業と比較すると、教授が説明している時間がやや長く、大人数だったためか、発言する人が決まっていたようにも思う。

グループで行う課題が3つあり、①特定の国の対内投資に関する法律の調査、②模擬の二国間投資協定(BIT)交渉のメモランダム作成、③投資協定の中の特定のルールについて調査、プレゼンを行うというものだった。

この中でも、②の模擬のBIT交渉は、韓国で実際にFTA交渉に関わっていた人がチームメイトだったため、本当の交渉の戦略を練っているようであった。この課題では、対外的な交渉だけではなく、代表している国の中でも、各省庁で意見の対立がある場合にどうするかなど、より実態に近いエクササイズになっている。交渉でも優先順位をつけながら二次案を用意しておくなど、真面目なチームメイトのおかげもあって、きちんとした戦略を持って臨むことができた。

最終試験は、レポートか試験かを選択可能で、レポートを選ぶ場合には、事前に教授にテーマやレポートの構造などについて説明したステートメントを提出する必要がある。私はレポートを選んだが、他の授業の課題等もこなしながら、30ページのレポートを書くことはは負担も大きく、途中で自分の選択を後悔したりもした。最終的には、他の授業の試験前にレポートの締め切りが設定されていたため、レポート提出後は、他の授業の試験勉強に注力できてよかったと思う。

授業を考える際には、事前に授業の負担感(リーディング、課題の量がどれくらいか、ディスカッション形式の授業か)に加えて、試験の形式、時期等についても調べた上で授業を選択することをお勧めする。




試験期間中にお世話になったドッグセラビー。他にもヨガなど、ストレス発散のためのイベントを図書館が企画してくれる。







2015年5月17日日曜日

ビジネス系の授業

私が1年目で履修した授業の中で、ビジネス系の授業で特に面白かったものについて紹介する。

Foundations in Financial Accounting and Corporate Finance (B200)
フレッチャーでファイナンス?と思う人もいるかもしれないが、フレッチャーにはInternational Finance and Bankingという専攻が存在するし、ファイナンスを専攻分野の一つとしている生徒も少なくない。

本授業は、コーポレートファイナンスの基礎授業で、ファイナンスで人気教授のJacque教授が教えている授業の一つであるため、Jacque 1と呼ばれている。財務諸表の分析から始まり、投資評価、資金調達、資本構成、企業価値評価等について学ぶ。


昨年の秋セメスターは、Jacque教授はサバティカルで不在だったため、Schena教授が本授業を担当した。授業はレクチャー形式だが、毎週のプロブレムセットの提出と、グループワークによるケースレポートの提出が求められていたため、負担が大きい授業の一つだった。

中間試験と最終試験に加えて、最終プロジェクトでは、グループで選択した会社の企業価値評価を行い、クラスメートの前でプレゼンテーションを行った。私のグループは、1-800 flowersというオンラインでフラワーギフトの販売を行っている会社を選んだ。1-800 flowersは、フラワーギフトを中心に、お菓子や果物などのバスケットギフトもオンラインで販売している企業であるが、評価の過程で、この企業の事業効率化やマーケティングの手法等についても詳しく知ることができたのは面白かった。

ファイナンスを勉強することが初めてかつド文系の私は、苦労した授業だったが、ケーススタディーを通じて、企業の事業構造や戦略を分析することができ、とても面白かった。



・International Financial Management(B221)
いわゆるJacque 2と呼ばれる授業。春学期に開講されている授業で、上記コーポレートファイナンスを履修していることが履修要件となっている。為替政策、為替レートの変動に伴って企業が直面するリスク、リスクヘッジの手法等について学ぶ。

教授がフランス出身のため、最初彼の発音に慣れるのと、質問の意味を理解するのに時間がかかったが、最終的にはとても好きな授業の一つになった。


Jacque教授は、学生思いの教授としても有名で、例えば、大雪のための補講に出席できなかった少数の学生のために、さらに追加で時間をとって補講を行ってくれた。これは、アメリカが事後に授業評価を行い、それがきちんとその後の授業に反映されることにも関係しているのかもしれないが、クラス全員が授業についていけているかをきちんと気にかけてくれる教授のように思う。授業でも、発言していない学生がいると当てられて発言を求められるため、常に気が抜けない授業だった。


コーポレートファイナンスの授業と同じように、プロブレムセットとケースレポートが求められており、中間試験と最終試験に加えて、最終レポートでは、新興国市場における最適な株式のポートフォリオマネジメントの分析を行った。


春学期は、とても忙しく、水曜日朝の締め切りのケースを日曜に読んで分析し、火曜日にレポート書き上げるといったギリギリの対応が続いたのはあまり良くなかった。チームで分担して作業を行ったが、このギリギリ作業のために、他のチームメイトが作業した箇所の確認までする余裕がなく、グループレポートはあまりよい評価はもらえなかった。

コーポレートファイナンスに続き、苦労した授業で、成績もいまいちではあったが、非常に勉強になった授業だった。


Strategy and Innovation in the Evolving Context of International Business (B236)
MIBのDeanであるBhaskar教授により教えられているストラテジーとイノベーションの授業。プレセッションで開講しているストラテジーの授業と似ているが、よりイノベーションに焦点を当てた授業となっており、ケーススタディーを通じて企業のイノベーション戦略について学ぶ。

授業は、ディスカッション形式だが、グループでまず議論をして発表させたり、生徒にビジネスプランを考えさせ、それに対して別の生徒が投資家として発言をするなど、生徒が飽きないような工夫がされている授業だった。

課題も、今から10年後のエコノミストの表紙を考えたり、春休み中のAnnoying(困った)できごとに対して、どのようなイノベイティブな解決方法が考えられるかについて検討したり、創造力も求められる面白い授業だった。

最後は、グループプロジェクトとして、イノベーションのジレンマを抱えている企業の分析を行い、ケーススタディーとしてレポートを書くのだが、私のグループは、アメリカのスノーボード会社を選択した。調査の過程で、実際の企業に電話インタビューを行い、マネージャーから直接話を聞くこともでき、企業戦略、直面しているジレンマについてより深く理解をすることができた。また、実際にそのケースを使って、グループで授業を行ったため、ケースを深く理解することに加えて、議論の時間配分や、クラスメイトにより理解してもらうためには、どういう風に授業を導けばよいかなど学ぶことができた。

他のグループの発表も、ユニクロ、GoPro、Hoka One One、起業している生徒自身の会社についてなど、多岐にわたり勉強になった。

2015年はまだ掲載されていないが、昨年のケーススタディーについては、フレッチャーのHPでも紹介されている。http://fletcher.tufts.edu/IBGC/Lab/StudentResearch/Student-Case-Studies


春休み中のAnnoyingなできごと→パッキング








2015年5月16日土曜日

カルチャーナイト

フレッチャーの国際性を表すイベントとしてカルチャーナイトがまず挙げられるのではないかと思う。フレッチャーには、様々な国、地域のクラブが存在するが、そのクラブが中心となって、カルチャーナイトと呼ばれる各国のダンスや音楽等のパフォーマンスを披露するイベントが行われている。

昨年は、Fiesta Latina、Med Night、Africana Night、Asia Night、Americana Nightが行われた。このカルチャーナイトは、当たり前だが特段単位になるわけでもなく、ただのお祭りなのだが、皆、かなり本気でダンスや歌などの練習をしている。

カルチャーナイトは、練習を通じて、新しい友達を作るよい機会でもあり、私もFesta Latinaでサルサを踊り、Asia Nightでは、日本のソーラン節に加えて、インドのボリウッドダンスに参加した。

皆、ダンスも歌もとてもうまく、初めて参加したFiesta Latinaでは、皆の多才ぶりに感動したのを覚えている。ダンスや歌だけではなく、ビデオや詩、ファッションショーなども行われ、一回のイベントで複数のパフォーマンスに参加する人も珍しくない。

今年のアジアナイトでは、ジャパンクラブのメンバーを中心に、東日本大震災の際の国際支援に対する感謝の気持ちを表すビデオを上映するとともに、ソーラン節を踊った。皆、授業などで忙しい中、練習の日程調整をするのはなかなか大変だったが、皆一生懸命踊ってくれ、よい思い出になった。

ソーラン節は、思ったよりハードな踊りだったが、練習の成果もあって、多くのクラスメートから賞賛してもらえた。日本の文化について、少しでも多くの人に関心を持ってもらえたのであれば、よかったと思う。


ソーラン節を踊ったメンバー

2015年5月15日金曜日

フレッチャーの校風

フレッチャーの校風について、表現するとすれば、Small Community(小さなコミュニティ)、Collaborative(協調性)、Diverse(多様性)という言葉が挙げられるかと思う。

<Small Community>
以前にも紹介したとおり、フレッチャーは一学年約260名と少人数の大学院である。人数だけで比較すると、コロンビア大学のSIPAがMIA/MPAの学生だけで454名、ジョンズホプキンス大学のSAISも、MAの学生だけで400名なので、他の国際関係大学院と比較しても人数は少ない。
また、フレッチャーは、Davis Squareという最寄りの地下鉄駅から、歩いて15分くらいの丘の上に存在するため、立地的にも他の大学やボストンの中心地から少し離れており、よく言えば、それがネットワークの強いコミュニティを作りやすい環境を形成しているのかもしれない。
小さな学校で、皆互いに切磋琢磨するためか、卒業してからもネットワークは強く、アルムナイ(卒業生)のネットワークが強いことでも有名で、俗にフレッチャーマフィアと称されている。アルムナイネットワークが強いことは、アメリカで就職活動をする上ではとても重要で、キャリアサービスセンターを通じて、アルムナイにアプローチしたり、学校で行われるイベントやキャリアトリップにおいて、アルムナイと交流する機会が与えられている。

<Collaborative>
小さなコミュティであるがゆえか、学生同士がお互いに協力し合う雰囲気がある。私も、渡米前に、フレッチャーの学生は優しい人が多いと聞いていたが、入学後もその印象は変わっていない。
特に、日本人の学生は、語学面で苦労することも多いが、完璧な英語が話せなくても、意見を言おうとすれば、耳を傾けてくれるし、グループでライティングを行うときも、英語の間違いを文句も言わずに修正してくれる。私は、語学面で迷惑をかける分、自分ができるところでチームに貢献しようと努めた。それによって、チームメイトとはよい関係が築けたと思うし、グループワークにも少しは貢献できたのではないかと思う。
また、私が知っている優秀なクラスメイトは、試験前で忙しい時期に、TA(Teaching Assistant)でもないのに、丁寧に授業の復習に付き合ってくれた。本当に、優秀な人とは、そういった他人のために時間を割く余裕と優しさがある人なのではないかと思う。

<Diverse>
フレッチャーのもう一つの特徴として多様性が挙げられる。これは、学校側がグローバルな視点を持ったリーダーを育成するために、意識して国籍やバックグランドの異なる生徒を入学させているためである。
全学生のうち、半数近くが米国以外の出身者であり、留学生も約70カ国の異なる国からきている。アメリカ人でも、海外経験がある生徒が多く、第二外国語の試験も義務付けられているため、複数の言語を話せる人も多い。私は、日本語と英語しか話せないため、いくつかの言語を話せる人を見ると、自分ももう一カ国語くらい話せたらと思ってしまう。そういった人のために(?)、フレッチャースクールの隣にある語学学校で、第二外国語を聴講することも可能である。
参考までに、私が、秋学期が始まる前に受講したプレセッショナルコースで同じグループだったチームメイトのことを紹介したい。私を含め女性が3名、男性2名のグループで、バックグランドも民間企業、軍、NGO、政府と異なり、それぞれがスイス、エジプト、イスラエルに在住経験があるなど多様性に富んだチームだった。皆、パーソナリティーも異なり、リーダシップ力のある人、真面目な人、場の雰囲気をよくする人、整理がうまい人など、異なるがゆえにうまく調和がとれたチームだった。
もちろん、グループワークはうまくいかないときもあるが、各人の強みや弱みを知り、その個性を活かしながらどうチームで成果を最大化するかを考えることは、今後仕事をする上でもとても勉強になる。特に国際機関で、就職を考えている人にとっては、フレッチャーはそういったソフトスキルを培う上でも最適なのではないかと思う。



プレセッションで仲良くなったMIBの学生たち。毎月、クラスメイトの誕生日をサプライズでお祝いしている。


2015年5月14日木曜日

MALDプログラム

フレッチャースクールの正式名称は、フレッチャースクール法律外交大学院(The Fletcher School of Law and Diplomacy)で、そもそも法律外交大学院って何を学ぶの?という疑問を持つ方もいるかもしれないので、コースの紹介から始めたいと思う。

フレッチャーは、1933年にアメリカで初めて創設された国際関係の大学院で、2年コースのMaster of Law and Diplomacy(MALD)、Master of International Business(MIB)、1年コースのMaster of Arts(MA)、Master of Laws in International Law (LLM)、ミッドキャリア向けのGlobal Master of Arts Program(GMAP)、博士課程のDoctor of Philosophy(PhD)が存在する。


約260名の生徒がいて、その半数以上がMALD(モルド)と言われるコースに通っている。MALDは、直訳すると法律外交修士だが、学びたい内容によって、安全保障、開発、貿易、国際法、ビジネスなど様々な分野にフォーカスした授業の選択ができる。


フレッチャーの特徴としてよくコースがフレキシブルだと言われるが、卒業要件として、Breadth Requirementsという分野に関係なく皆が満たさなくてはならない要件と、Field of Studyという分野によって異なるコースの要件を満たす必要がある。卒業するには、16単位の取得が必要で、各セメスター4単位の授業を取得することになる。


<Breadth Requirement>

フレッチャーの授業は、①外交、歴史、政治学(DHP)、②国際法と国際組織(ILO)、③経済と国際ビジネス(EIB)のいずれか3つにに分類される。MALDの学生は、国際関係の幅広い知識を身につけるために、DHPの授業を2単位、ILOの授業を1単位、EIBの授業を1単位、Quanatative course(数学、統計、経済学等)を1単位取得することが卒業要件となっている。

<Field of Study>

22の専攻分野の中から、2つの専攻分野の要件を満たすことが求められている。Field of Studyは、いわば自分が何を専門としているかのアピールに使うようなもので、22の専攻分野の中にあてはまるものがなければ、自分で専攻を作ってしまうことも可能である。また、専攻は、取得するコースの要件を満たせば途中で変えることも可能である。

<Capstone>

フレッチャーの学生は、卒業要件として、Capstone(いわば修士論文)を執筆することが求められている。アカデミックな論文、ポリシーペーパー、ビジネスプランなど、いくつかの形式が認められており、就職活動先へのアピール材料として活用する学生もいる。各コースの課題や試験、就職活動もしながら、Capstoneに取り組むことは、相当大変であるが、Capstoneを通じて、これまで学んだことをより深く理解し、詳細な分析、研究を行うことができる。

参考までに、私は、今1年目が終わったばかりだが、International Business and Economic LawとInternational Business Relationsの2つを専攻分野として選んでいる。最近では、ビジネスに関心がある生徒も増えてきており、ビジネスを中心に勉強しているMALDの学生を、格好よくBusiness MALDと呼んだりしている。


授業の内容は、追って紹介したいが、私は、コーポレートファイナンスやストラテジーといったビジネス関連の授業に加え、国際投資法、国際ビジネス取引(国際私法)などの授業をこれまで履修した。フレキシブルであるがゆえに、研究テーマが絞りにくいといったデメリットもあるように思うが、私の場合は、自分の法律系の専門性を深められた上に、ファイナンスやストラテジーなどの新しい分野での知識も得ることができ、とても勉強になった。各分野も全く異なる分野のように思えて、関連性もあり、異なる分野の授業でも、違う角度から見ることができるようになり非常に面白かった。


フレッチャーは、安全保障、外交、紛争解決などに強みがあり、それらを専攻としている学生も多い。私のように、それらの分野を専攻としなくても、自分の専攻の要件を満たせば、授業を履修することは可能であるし、その分野での著名人が講演に来たり、セミナーがあったりするので、関心があれば、そういったイベントを通じて勉強することも可能である。


幅広い授業選択ができる点と、各分野で著名な教授陣が揃っていることはフレッチャーの強みかと思う。授業は、リーディングや課題の量が多く、なかなか大変だが、カルチャーナイトなどの楽しいイベントや、様々なカンファレンスなどもあり、たくさんの学ぶ機会、交流の機会が用意されている。皆、忙しい中でも、そういったイベントやクラブ活動に積極的に参加していて、楽しむときは思いっきり楽しんでいるように思う。

校風や、イベントなどの情報についても今後紹介していきたい。


春のフレッチャースクール















2015年5月10日日曜日

ブログ開始しました。

Fletcher Schoolの在校生が学校生活やボストン生活について、情報提供できる場があればよいと思い、ブログを開始しました。これから、学校生活を中心に、入学準備やボストンの生活環境も含めて幅広く情報をお届けできればと思います。