2015年10月28日水曜日

フレッチャーのスタッフの方に、受験について聞いてみました

前回の投稿からだいぶ間があいてしまいましたね。
こちらはちょうどミッドターム(中間試験)の真っ最中です。
このミッドターム、通常の授業と同時並行で進むので、本当に大変です。今期はプレゼン2本、エッセイ2本、持ち込み不可のインクラステスト1本と、本当に本当に辛かったです。そして、日本のように「よし打ち上げだ!」と騒ぐ暇なく、また授業が始まります。予習が終わりません… 
 
さて、ミッドタームが終わりものすごく気分がいいので、今回はフレッチャーのスタッフであるモリス麗子さんに、アドミッションのことなどについて、いろいろとお話を伺いました。日本人受験生へのサービスです。
 
まあ、こっちに在住のアメリカ人は、気軽にface-to-faceでアドミッションに質問できてしまいますからね。簡単にはアメリカに来られない方向けだとすれば、誰も怒らないでしょう。アメリカに住んでいないほかの外国人からは怒られそうですが。
なお、今回はモリスさん個人のご意見ということで、HP掲載の許可を得ております。事実関係に関しては間違いはないでしょうけれど、オフィシャルな回答ではない、ということを肝に銘じておいてください。「おたくの職員さんがこんなことを言っていましたが、本当ですか?」などと、アドミッションに聞かないように笑
 
 
―まず、モリスさんのお仕事についてお教えください。
 フレッチャーの留学生のサポートがメインです。日本でいう教務課職員に当たるような感じでしょうか。フレッチャーに来てから約2年、それまでは日本の大学でも同じような業務をしていました
 
―今日はこれから受験を考えている日本人向けのアドバイスをいただきたいと思っております。いきなり本題ですが、日本人のフレッチャーの入学は難しいでしょうか?日本にいるとき、「とりあえず出せば受かる」とまことしやかにささやかれているアメリカの大学院をいくつか聞いたことがあります。フレッチャーは入っていなかったので、受験するときは、本当に不安でしたね。
 (とりあえず出せば受かると言われている大学院名を聞いて)なんと…意外ですね、あそこもそこも、大学院ではアメリカのランキングの上位に入るくらい、しっかりしたところなんですけどね。もうご存じだとは思いますが、フレッチャーにもたくさんの方から応募が来て、かなりの競争です。だいたい1月から3月までがオフィスが忙しくなる時期ですね。
 ここだけの話、アドミッション内での日本人の評判は良いです。これはお世辞でもおべっかでもありません。その理由に、まず日本人は責任感のとらえ方が違うというのがあります。他者を尊敬する、だらしなくない、書類もしっかりしているなど、ほかの出願者に比べて、いろいろな点で心配がいらないからです。トッププライオリティと言っても、言いすぎではないかも。アドミッションのダイレクターも、アジアが大好きですからね。現に、今学期(2015年9月)在籍の留学生(1年生+2年生+OPT)の中で、インドの47名の次に日本人が多く、その数は32名です。ほかの大学は中国人が多いので、フレッチャーは珍しいと言われています。あと、フレッチャーの日本人の卒業生に立派な方が多いのも、理由の一つですね。評判が違います。
 
―日本人が多いと英語の勉強ができない、という意見もありますが、実際に留学してみて、やはり最後に助けを求められる日本人がいるというのは、すごく助かりますね。英語は自分から違う世界に飛び込めばいいだけですし。ところで、アドミッションオフィスはどんな体制なのですか?
 入学者を決める決定権がある職員が3名、そのアシスタントが2名の計5名です。忙しい時期にはヘルプも入ります。TOEFLやGREのスコアなどのデータ集計などが、彼らの主な仕事ですが。
 
―もうその単語を聞きたくないですね。フレッチャーは100がラインだったので、ドキドキしっぱなしでした。
 もちろんスコアだけで全ては決まりません。エッセイもありますし、面接をする人もいますしね。
※ 受験生の中でも、出願後、個別にアポをとってアドミッションと面接をする強者(日本人にとって)もいるそうです。私にはそんな勇気はありませんでした。
 
―出願後、どのようなスケジュールなのでしょうか?
 詳しくは言えませんが、書類選考があって、その後教授会に諮ります。教授たちもちゃんと読みますよ、皆さんのエッセイ。 

―日本でささやかれていた噂の一つに「早めに願書を出せば有利」というものがあったのですが、本当ですか?確か私のときは1月と2月に出願締め切りが設定されていて、前者は奨学金付の入学申請でした。奨学金はいらなくても、1月に出しておかないと、席が埋まってしまう、という可能性はあるのでしょうか?
 早めに合格が出ることはないですね。そこは安心してください。ただ、日本の大学のように「○月○日以降から審査を始めます」というのとは違って、届いたものからどんどん審査されます。Rolling Admission Periodというのですが、早く出せば早く読んでもらえるというのは確かです。
 
―合格が確約されるわけではないのでしょうけど、やはり早く出すことにメリットはあるんですね。もう一つ噂で、「アドミッションオフィスに変な質問をすると悪い印象を抱かれて、合格できにくくなる。だから、極力聞かない方がいい」というものがあります。事実、私も出願に際してわからないことだらけでしたが、聞くのに躊躇した記憶があります(笑)
 そんな噂があるんですね。答えはノーです。もちろん、「全部教えて」とか「代わりに書いてください」みたいなメールが来たら印象は悪いですが、普通であれば、それをアドミッションの検討材料にする、なんてことはありません。現在の担当窓口の職員がすごく丁寧な人なので、邪険に扱われることもないでしょうし。アドミッションの担当が以前、日本人学生はあまりダイレクトに質問をしてこない、と言っているのを聞いたことがあります。ほかの学生はどんなことでも聞いてきているということでしょう。なので、気にする必要はなく、わからないことがあったら、遠慮なく聞いてください。
 それと、もし私に回答してほしければ、アドミッションへのメールのccに私のアドレスReiko.Morris@tufts.eduを入れてください。メールの文面のどこかに日本語が入っていれば、まず確実に私に回答依頼が来るでしょうし(笑)私から皆さんにメールするのは、通常入学者が決まってからです。なので、この方法はある意味裏口ですね(笑)
 
―なるほど。出願に際していろいろな大学のHPを見て、一生懸命調べるのですが、本当にこの情報が正しいのか、これで不足はないのか、と、ものすごく不安でした。そんなときに相談できる方がいるのは、心強いですね。私も合格が決まってからどうしてもわからない手続があり、勇気を振り絞って質問したところ、モリスさんから日本語で返信が返ってきて、ほっとして泣いた、という経験があります。あ、泣いたのはうそです。
 皆さん不安ですものね(笑)その点、アメリカ人は9.5を理解しても0.5わからなければ、必ず聞きにきます。日本人は謙遜される方が多いのでしょうけど、わからなければ遠慮なく聞いてください。
 
―今日はありがとうございました。立派な記事にします。
 立派にがんばってください。あと、来年もたくさんの日本人の方を迎え入れたいですね。インドを抜きましょう。
 
 
というわけで、これが1時間ちょっとのモリスさんへのインタビュー全容です。こうすれば受かる、必ず受かる、というのはありませんし、出願は競争です。ただ、アドミッションが日本人受験生に対して好印象を持っている、というのは、HPでは知りえませんし、何よりも受験に当たっての心の支えになるのではにないでしょうか。
もうアーリーアドミッションが始まっていて、願書の締切も間近だと思います。(私も何人かの受験生から相談を受け、願書のドラフトを見ました。2年前の地獄を思い出し、ついつい目線が厳しくなってしまったのは内緒です。ごめんなさい。)モリスさんもおっしゃっていたとおり、アーリーで席が全て埋まるということではありませんが、早めに出すことに、ある程度のメリットもあります。なので、準備はお早めに、そして、いいものを作ってください。
 
ボストンは最高気温が一ケタという日も増えてきています。日本も寒くなってきていると思いますので、体調には十分気を付けてください。私は風邪を引きました。よろしくお願いいたします。
 

(モリスさんの写真を取り忘れたので、最近行った国道沿いのダイナーで食べたものを張っておきます。まんま映画の世界でした。)