2015年7月21日火曜日

MIBプログラム


こんにちは。本日はMIBプログラムについて紹介したいと思います!


■プログラム概要
MIBMaster of International Business)プログラムは、国際関係の要素とビジネスの要素を組み合わせたプログラムで、毎年30名前後の生徒が入学します。このプログラムは2008年頃に設立された新しいプログラムで、プログラムの趣旨(売り?)としては、『ビジネスを取り巻く環境はより複雑になっていき、政治、法律、経済などの国際情勢を鑑みた上でのリーダーシップ・判断が必要となっていく。その環境に適応できるようなcontextual intelligenceを国際関係・ビジネスの双方を複合して学ぶことで培っていく』、というものになっています。


■生徒のバックグラウンド
他のプログラムと比較し、民間企業から来ている生徒が多いです。特に、Social BusinessInclusive Businessをしたいと思っている人や、民間企業から国際機関/国際開発分野へキャリアに転換したい人が多いように思います。

学生の国籍は、Class of 2015, 2016の場合は、ざっくり半数はアメリカ人(もしくは、ヨーロッパとアメリカの両方の国籍を持った人含む)で、その他、メキシコ、トリニダートトバゴ、チリ、エクアドル、ナイジェリア、トルコ、インド、パキスタン、バングラデシュ、中国、台湾、韓国、日本・・という感じです。(思いつく限りですが・・)


ボストンの束の間の夏、ピクニック中の一コマ。女性が多いような気がしますが、現実は半々かな・・


■卒業要件
他のプログラムと比べて、MIBの要件、必要単位数は多めになっています。

(1) 必要単位:18単位(ちなみにMALD16単位です)
(2) 必要コース/要件:①-③の観点で、それぞれ満たす必要があります(ちょっと複雑)
 
 ①MIBの必修コース(Core Curriculum):多いですが、皆で同じクラスをとれるので仲良くなります。
 
  <Business Core>3.5 - 4.5単位
  • Strategic Management (0.5)
  • Financial Statement Management (1)
  • Foundations in Corporate Finance (1)
  • Statistics: Data Analysis and Statistical Methods for Business (1) ※事前に免除可
  • Marketing (0.5)
  • Regional Course on Business and Economic Contexts (0.5)-> China / Europe / India / Islamic World / Latin America から選択。Africaのコースも開始されるかも

  <Economics Core>0 - 2単位
  • One microeconomics course: Managerial Economics(0.5) or Microeconomics (1) ※事前に免除可
  • Global Macroeconomics (1) ※事前に免除可 
  <International Affairs Core>3単位

  • One international law course: International Business Transactions or International Fiscal and Financial Law (1)
  • Two Diplomacy, History and Politics (DHP) courses:DHPというカテゴリのリストの中より、2つを取る必要
 ②各フィールドの要件:下記2つのフィールドから一つずつフィールドを選び、選んだフィールドの要件を満たす仕組みです。
   ※よくあるフィールド内の要件は、必修科目1単位+選択科目2単位の計3単位など。
  • International Business Fields International Finance and Banking /  Marketing /   Public and NGO Management /  Strategic Management and International Consultancy
  • International Affairs Fields Development Economics  /   Human Security/Comparative Politics /  Humanitarian Studies /  International Business   and Economic Law /  International Business Relations /  International Environment and Resource Policy /  International Information and Communication /  International Monetary Theory and Policy /   International Negotiation and Conflict Resolution /  International Organizations /  International Political Economy /  International Security Studies /  International Trade and Commercial Policies /  Law and Development /  Pacific Asia /  Public International Law /  Southwest Asia and Islamic Civilization /  United States /   Self-Designed Fields of Study
 
 ③Capstone Projectいわゆる修論。         MIBの場合は、ケーススタディ、ビジネスプラン、市場分析などでもよさそうです。
 
Fletcherには、Language Requirementもあります。日本語で高等教育を受けてきた(英語がSecond Language)方は不要です。English Nativeの学生や、高等教育まで英語で学環境で育ってきたクラスメートは、試験を受けています)


私は現在1年目を終えたところですが、最初の1年、特に最初のセメスターは、MIBの皆で同じ必修の授業をとるので、必然的に仲良くなりやすいです。(逆に言うと、好きな授業をとれるのは1年目の2つ目のセメスター以降のお楽しみになることが多いです。)

専攻ですが、国際関係フィールドからはDevelopment Economics、ビジネスフィールドからは、何にするか現在検討中です。(入学して即座に!というよりは、クラスを受講しながら、専攻を決めていく人が多いように思います)

また、フレッチャーでは、ハーバード大学とクロスレジスターができるので、同級生はHBS(ビジネススクール),HKS(ケネディスクール), HGSE(教育大学院)等の授業を履修していました。MITの授業も先方の教授・フレッチャーの履修担当の人との交渉次第で履修できることもあるようです。
 

MIBならではの・・
基本的にフレッチャーは「Flexible」を売りにしているので、MIBの人しかとれないクラス等はありません。(そういうのを作らないようにしているそうです)

MIBプログラム特有のもので、カリキュラム以外には、以下のものがあるかと思います。
  • Dean Dr. Bhaskar Chakaraborti: McKinseyパートナーであったこともあり、スマートであることはもちろん、プレゼンや授業のファシリテーションがユーモアたっぷりで物凄く上手なDeanです。彼の受け持つクラスは大人気。
  • MIB Town hall meeting
    各セメスターごとに、MIBの学生(1,2年生両方)向けに開催されます。
    Alumniからのインターン、就職活動についての情報共有があったり、DeanMIBスタッフとともに、プログラムについてのフィードバック、新たな取り組みについての共有をしたりします。その後にパーティーなんてことがあったりなかったり。
  • IBGCInstitute for Business in the Global Context):
    リサーチセンター(?)のような立て付けで、
    MIBプログラムのスタッフが運営しています。IBGCのイベントとして、民間企業のExecutiveを呼んでの講演は頻繁に行われています。また、リサーチアシスタントとしてパートタイムで働いている学生もいます。(活動はMIBの学生に限ったことではないです)
  • MIBスタッフとの距離が近い
    (これは個人的な所感ですが、一学年
    30人程度なので、スタッフは必然的に?顔と名前、専攻・興味分野やインターン先やを覚えてくれているように思います。)




真ん中にいる人がDeanです。プレゼンのユーモアやファシリテーションが絶妙。


フレッチャーは全体として(規模が大きくないこともあり)、仲良く和気藹々とした雰囲気が流れていると思いますが、MIBは、最初から必然的に同じクラスを取ることもあり、その中でも「MIBネットワーク」は強いです。

個人的には、MIB最初の1年目は、上記の必修を中心としたクラスがほとんどになったので、2年目は必修以外の興味のあるクラスや、ハーバードのクラスを取れたらと思っています。

今度はインターン・就職活動について書いていきたいとおもいます♪



 テスト前の勉強 for Econometrics(計量経済学)..久しぶりに数学と格闘しましたが勉強になりました。

2015年7月3日金曜日

家族連れの留学(その1)

フレッチャーとは直接関係ないかもしれませんが、私からは「家族連れの留学」について、1年間を終えて考えたことを徒然に書かせていただきます。
私は、専業主婦だった妻と1歳になったばかりの息子と渡米し、フレッチャーでの留学生活を1年送りました。私はMALDの2年コースに属しているので、あと1年残っています。
(※個人的な見解もかなり含まれておりますので、かいつまんでご参考にしていただければ幸いです。)

◆家族連れで留学すべきか??

家族がいらっしゃる方々にとってまず最初に考える必要があるのが、「家族を連れて行くか、否か」だと思います。
自分の経験を踏まえて、家族連れで留学するメリットとデメリットを以下に書かせていただきます。

◎メリット

・米国生活という貴重な経験を家族で共有できる
・寂しくない
・食事や掃除など、身の回りの家事をやってもらえるので勉強に集中できる
・家族のイベント・地域コミュニティーに参加しやすい
・子供の教育環境が良い(お子さんのおられる方)

●デメリット

・家庭があるため、時間が制約される
・家庭があるため、英語にどっぷり浸かる環境に身を置くことができない
・家族分のコストが余分にかかる


以下、それぞれもう少し詳しく記載させていただきます。

◎メリット

・米国生活という貴重な経験を家族で共有できる
これが最も大きなメリットではないかと思います。今後海外勤務が頻繁にある、あるいは米国で働くことを考えている方々は別として、米国での貴重な経験を、今後一生(おそらく)生活を共にする家族と共有できることは、この上なく価値のあることだと思います。
 私も初めての海外暮らしで、この1年間で様々な困難に直面しましたが、家族のおかげで乗り越えることができました。また、こちらで美味しいものを食べたり、旅行したり楽しい経験もたくさんしましたが、それらを家族で共感でき、家族の絆をより深めることができたと思います。

・寂しくない
人によるかもしれませんが、異国での生活で孤独を感じることもあると思います。慣れ親しんだ家族と一緒であれば、そのような孤独感や、いわゆる日本へのホームシックを感じることも少ないと思います。
 私は、学校であった出来事(愚痴なども)を帰宅後に妻に話したり、子供の面倒を見ることで、かなり精神的にリフレッシュできていたと思います。

・食事や掃除など、身の回りの家事をやってもらえるので勉強に集中できる
当然ですが、一人暮らしの場合は何もかも自分でやらなければなりません。特に食事は忙しい中で自分で用意するのは大変ですし、外食するにしてもコストや栄養の面からいろいろと考えなければなりません。(学校の食堂や周りにもレストランがいくつかありますが、飲み物など入れると1食あたり最低10ドルくらいはかかってしまいます。)
この点、家族が一緒であれば、食事の準備を含めた家事をお願いすることが可能です。(もちろん時間の許す限りお手伝いしなければなりませんが。)
 私は、学校に行っている間、子供の世話はもちろんのこと、掃除や洗濯など基本的な家事は妻にやってもらっており、レポートの提出前や試験期間などで忙しい時期は大変助かりました。特に食事については、毎回の食事と、昼にはお弁当を用意してもらえたおかげで、バランスのとれた食事をとることができ、コストも抑えられていると思います。

・家族のイベント・地域コミュニティーに参加しやすい
単身での留学と比べて、どうしても学校の友人との付き合いは制限せざるを得ませんが、家族同士のお付き合いや、地域のコミュニティーへの参加がしやすくなるというメリットがあると思います。フレッチャーには家族連れで留学している学生もたくさんいますので、家族のいる学生同士でお互いの家に招待してそれぞれの国の料理をふるまったり、会話をしたりすることも楽しみ方の一つです。また、地域にはファミリー向けのイベントがたくさんあり、そのようなイベントにも参加しやすいと思います。
 私の場合は、自治体(タウン)や近所の教会が主催するイベントに多く参加しています。サンクスギビングやクリスマスなど家族で参加できるイベントがたくさんあります。そのようなイベントを通じて、大学だけでなく地域のコミュニティーにも参加することができ、アメリカの人々の生活や文化を知ることができます。
アパートの庭で行われたイベント。食事をとりながらみんなでおしゃべり。
子供たちは庭をかけ回ってました。

・子供の教育環境が良い
子供がいらっしゃる家庭にとっては、子供の教育環境についてもかなり気になるところだと思います。米国の他の地域のことはよく分かりませんが、タフツ大学周辺(ボストン近郊)は子供を育てるのにとても良い条件がいくつかあると思います。
 最も良い点は、広大なアメリカならではの自然だと思います。徒歩圏内にも美しい湖や公園がいたるところにあり、子供とぶらりと散歩するだけでとても気持ちが良いです。もう少し郊外へ足を伸ばせば、さらに雄大なニューイングランド地方の自然に触れることもできます。(ニューハンプシャー州の森林・湖やメイン州のビーチなどは本当に素晴らしいです!)
 また、こちらでは子供(子連れ)に対してとても寛容なところがあります。バスや電車に乗っていても席を譲ってもらえたり、通路をあけてくれたりします。(バスでベビーカーが邪魔だという日本とは大違いです!)子連れで歩いていると、たくさんの人に笑顔で声をかけられます。皆が子供を大切にしているということを実感します。
 さらに、前述したように、図書館や教会などの公共の施設でのファミリー向けのイベント(低価格の英語レッスンや本の読み聞かせなど)も充実しており、うまく利用すれば同行される奥様も退屈しないと思います。
 
アパートの庭にて。広いので安心して子供をあそばせられます。
近所の湖のほとりの公園。いつも子供たちとそのパパ・ママでいっぱいです。冬は表面が凍ってスケートも楽しめます。
 
なお、中高生の子供に関しては、私は自分の子供がその年齢に達していないので詳しくは分かりませんが、ボストンというアカデミックな土地柄からか、とても地元の学校もハイレベルなものが多いそうです。私の住んでいるタウンやその周辺の街のハイスクールからは、ハーバードをはじめとするいわゆるアイビーリーグに入学する者を多数輩出するような学校もあり、ボストン駐在の日本人も子供の教育のためにあえてボストン郊外に住居を決める人も多いそうです。
 
 

●デメリット

・家庭があるため、時間が制約される
これは日本にいても同じことだと思いまが、単身の学生の比べて、家族連れの学生はどうしても家庭に時間を割けば割くほど、自分の時間はなくなります。自分の勉強に当てる時間もそうですし、このブログでも紹介されているフレッチャー関係の様々なイベントへの参加も制限されます。日本と異なる点は、米国という異国の地では、家庭のマネジメントは思った以上に大変だということです。配偶者が海外生活に慣れていて、英語も堪能であれば別かもしれませんが、そうでなければ自分以外の家族の抱えるストレスは相当なものであり、きちんとケアしないと一番大事な家族との関係が悪くなるおそれがあります。(私もこの点で配慮に未熟で、この1年間で妻から「もう日本に帰る!」と何度か言われてしまいました・・・。)
 フレッチャーの図書館は平日は深夜1時まで空いており、夜の講義やソーシャルなイベントも豊富にありますが、そういうものへの参加を私もどうしても制限せざるをえませんでした。私は遅くとも夕食の時間には帰宅し、勉強は家族が寝静まってからか、早起きして行いました。時間の使い方には一層の工夫が必要になります。

・家庭があるため、英語にどっぷり浸かる環境に身を置くことができない
これも大きな問題ではないでしょうか。学校では英語で話すのはもちろんですが、家庭ではどうしても日本語になってしまいます。学校で英語を使ってせっかく頭が英語モードになっているのに、家では日本語を聞いて、話していればまた日本語モードに戻ってしまいます。連休や中長期休暇の後などは、英語モードに再び戻すのはとても大変になります。
(逆に、同時期に留学した日本人で、寮やシェアハウスに住んで、日ごろから英語に浸る生活をしている学生は、1年でめざましく英語(特にスピーキング)を上達させているもの者もおり、そういう人を見ると正直もどかしい気持ちになりました。)
 私は渡米当初、このような弊害を少しでも解消するため、妻と相談して家庭内でもなるべく英語で話そうとチャレンジしてみましたが、1日(2時間)ももちませんでした(笑)夫婦間の会話が少なくなるだけであり、お互いにストレスがたまるだけだと分かりました。日本人で同じような試みを行ったご家庭もいくつかあると聞いていますが、長続きしているという話を聞いたことがありません。留学の目的にもよるかもしれませんが、英語の向上の観点からは、家族連れの留学は不利であると言わざるを得ないと思います。

・家族分のコストが余分にかかる
こちらもご想像のとおりです。駐在で来る場合は家族の分の手当も出る場合が多いようですが、留学はあくまでも本人の学習のためになされるものなので、自分以外の家族の費用はまず出してもらえないと思われます。ですので、渡航のための航空券から、生活費、保険、携帯などすべて自費になってしまいます。
 なお、フレッチャーには世帯用の寮がないため、家族連れは必然的に自分で家探しをしなければなりません。米国では、(法律か慣習かわかりませんが)家族の形態によって住む部屋の数が決まってきます。例えば夫婦であれば1ベッドルーム(日本で言うと1LDK?)以上、子供(3歳以上?)がいる場合は2ベッドルーム(2LDK)以上の物件でないと賃貸してもらえない可能性が高いです。ボストン近辺は全米でも家賃が高い地域と言われており、さらに家族のために安全面や衛生面などを考慮するとかなり高額な住居費が必要となると思われます、私の感覚ですが、夫婦に加えてお子さんがいらっしゃる場合は安くても(立地がやや不便、洗濯機が部屋にないなど)月額$1500、平均で$2000以上は月額の家賃が必要になってくると思います。これに光熱費、インターネット代、車を所有すれば駐車場代など、もろもろ加わりますので、住居・生活費は相当大きくなってしまうと思います。


以上、家族連れの留学のメリットとデメリットについて、個人的な経験を含めて記載させていただきました。ただ、家族の形態や留学の目的、さらにはそれぞれの人生設計によってメリットもデメリットも変わってくると思いますので、少しでも参考になる部分があれば幸いです。
(追加情報を「家族連れの留学(その2)」でまた記載させていただくかもしれません。または、どなたか追記していただいてもかまいません!)